研究課題/領域番号 |
23H05004
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研究種目 |
奨励研究
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
1170:教育学・教育社会学関連
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研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
根橋 杏美 千葉大学, 教育学部附属幼稚園, 幼稚園教諭
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
480千円 (直接経費: 480千円)
2023年度: 480千円 (直接経費: 480千円)
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キーワード | 挑戦的活動 / 幼児 / 登はん型遊具 / 挑戦過程 / 園庭遊具 / 安全教育 |
研究開始時の研究の概要 |
遊具の安全確保と幼児のリスクテイキング能力の育成との両立という幼児教育の現代的課題を踏まえ,令和2年度の研究では幼児140名を対象に行動観察を行い,登はん型遊具に取組む幼児の実態と相互作用に焦点を当てた。令和3年度の研究では保育者4名にインタビュー調査を行い,保育者の援助の在り方に焦点を当てた。しかし,幼児一人一人の取組の詳細と発達段階や個人特性との関連は明らかでない。幼児2~3名の継続的な行動観察から,幼児の取組のエピソードを質的に,取組時間等を量的に分析することで,幼児の取組状況の変化や影響要因等を明らかにし,発達段階や個人特性に応じた安全上の配慮の具体的内容を検討することを目的とする。
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研究成果の概要 |
本研究は園庭の登はん型遊具における幼児の取組状況の変化や影響要因について明らかにし,安全上の配慮の具体的内容を検討することを目的とした。4歳男児2名(達成児A・挑戦児B)を対象とした行動観察から43取組14事例得られた。取組状況及び平均取組時間の推移を分析し,登り場面の挑戦行動から行動ラベルと発話ラベルを生成した結果,9~3月にかけて取組む登り口の数が増え,試行錯誤して挑戦する姿からより速く確実に登り降りする姿に変化することが明らかになった。これらの変化には,周囲への関心や気の合う友達との継続的な取組が影響要因となっており,幼児の挑戦を見守る保育者の援助及び環境構成の有用性を示した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究は,幼児の挑戦と安全の両立を目指して改修された全国的にも珍しい登はん型遊具における幼児の取組に着目し,先行研究にはない取組状況の変化や影響要因を明らかにした。近年の国内の幼稚園等では,戸外環境の改善や再構成が課題とされ,園庭遊具を改善する園が増えている。本研究は,幼児の挑戦と安全の両立を目指した改修遊具における幼児の挑戦行動を解明し,幼児の挑戦を見守る保育者の援助及び幼児の挑戦を安心して見守ることが可能な環境構成の有用性から安全教育の在り方を示した点において,学術的意義と社会的意義を有する。
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