本研究の目的は、中学校音楽科の資質能力を育成するために、ウクレレの協働的な表現活動の授業を行うことを通して、ウクレレの有効な活用方法を示し、音楽科の授業開発を行うことである。①ウクレレを用いた楽しさを体験する授業の開発(各学年2題材、計6題材の授業)②再現性を確保するため、6題材のワークシート、ルーブリック、映像教材の作成。 研究方法①3学年で6題材のみんなで楽しさを体験する授業を実践し、ウクレレの有効な使い方を示す。②生徒の姿による評価を行うためのルーブリックを作成する。それを活用して行った授業で音楽科の資質・能力が育成できたかを質問紙法(題材前と題材後)で量的な分析をするとともに、活動の様子を分析し、検証する。 ウクレレは、中学校でよく用いられるギターに比べて小さくて軽く、弦も4本と少ない。指一本でコードを容易に押さえることができる。ナイロン製の弦は指が痛くなりにくい。こうしたメリットがあることから本校では、2021年9月に継続的に学習できる楽器として生徒一人一台のウクレレを整備し、入門編、初級編、中級編と継続してウクレレを用いた表現活動を実践してきた。しかし、中学校段階でのウクレレはあまり使用されている例がなく、器楽の教科書にもウクレレは取り扱いがない。さらに、コロナ禍における人同士の距離の配慮もあり、個での学習が中心となっている。そこで私は、ウクレレを用いてみんなで学び合い、楽しいという思いを体験できる器楽分野の授業を開発し、音楽科の資質・能力の育成を図りたいと考える。
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