文章の読解能力の重要度が増す大学入学共通テストにおいて,数学Ⅰ・Aの平均点が過去20年で最低点となったことから,「数学科で育成すべき読解力とは何か?」という問題に教育界は直面しているといえる.この問題は「日本語で記述される問題文の意味が適切に読み取れていないことが数学学習の妨げになっているのではないか?」という点を突いている. 本研究は,こうした指摘に対し「日本語と数学言語の構造の違いが数学学習にどのような影響を与えているのか?」,「日本語を読む際の読解力と数学言語を読む際の読解力にはどのような違いがあるのか?」という視点からアプローチするものである.
|