研究課題/領域番号 |
23H05062
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研究種目 |
奨励研究
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
1180:教科教育学および初等中等教育学関連
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研究機関 | 早稲田大学 |
研究代表者 |
羽田 真 早稲田大学, 本庄高等学院, 高等学校教諭
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
320千円 (直接経費: 320千円)
2023年度: 320千円 (直接経費: 320千円)
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キーワード | 表現の自由 / 公民科教育 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は高等学校公民科で「民主主義社会を支える表現の自由をどう教えるか」について、その原理と具体的方法を明らかにし、実践を通じて検証しようとするものである。 表現の自由は、民主主義の根幹を支える重要な人権でありながら、公民科の授業で十分に扱われていない。そこで本研究では、カリキュラム、授業・評価モデルについて、主に韓国の法教育と比較しながら検討していく。作成した指導案は実際の授業で実践し、成果検証を行う計画である。
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研究成果の概要 |
本研究では、公民科の学習指導要領及び検定教科書の分析を行った。これにより、表現の自由が「自由権」の項目で取り扱われるだけでなく、自由民主主義の維持にとって不可欠であることが理解できるよう配慮されていることが分かった。加えて、表現の自由を主題とした探究的な授業を考案した。一例として、政府が国民の行動を統制し、反政府的な動きを封じ込めるために表現の自由の制約が有効であること、一度規制されると回復が困難であることを理解させる授業などを実践した。また、法教育研究が盛んな韓国との比較も進めた。教科書等の資料を収集したほか、韓国の高等学校を訪問し、社会科の授業見学や、教員へのインタビューを行った。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
表現の自由には民主政の過程に不可欠という自己統治の価値がある。多数決を行うには少数意見を尊重し、十分な議論を経ることが必要である。また政府に対して批判をする権利も保障されなければならない。そのため、表現の自由の価値を理解し、表現の自由をめぐる日本社会の動きに対しての問題意識を涵養するための授業を開発することに意義がある。表現の自由への抑圧がますます加速するなか、公民科教育も変容する現実社会への対応を重視することが必要である。
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