研究課題/領域番号 |
23H05081
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研究種目 |
奨励研究
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
1180:教科教育学および初等中等教育学関連
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研究機関 | 東京学芸大学 |
研究代表者 |
武塙 健 東京学芸大学, 附属世田谷中学校, 中学校教諭
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
340千円 (直接経費: 340千円)
2023年度: 340千円 (直接経費: 340千円)
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キーワード | 統計教育 / 統計的推論 / グループ比較についての推論 / 教材開発 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は,生徒の統計的推論力を育成する授業の有用性を明らかにすることに焦点を当てている.統計的推論とは,ある統計的概念を用いてデータの特徴を捉えて表現し,表現した統計情報を理解したり,新たな事柄を導いたりする推論である。統計教育では,生徒の統計的問題解決能力を育成することが重要であると考えられているが,その各局面の質を高めていくには統計的推論が不可欠となる.そこで,統計的推論力を育成する教材を開発し,開発した教材をもとに実践授業を行い,統計的推論力の育成を目指した授業を行う有用性や課題を明らかにする.
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研究成果の概要 |
本研究では,「グループ比較についての推論」に焦点を当て,生徒の統計的推論力の育成を目指した教材を開発し,授業の実践を行った.研究成果は主に2点である. 1点目は,調査方法の比較についてである.中学校第3学年で学習する標本調査の導入指導で,「アメリカ大統領選挙の予想」という現実場面の標本調査を取り上げ,その調査を批判的に考察する授業を行った.2点目は,数学的解決と統計的解決の比較である.「ラグビーのコンバージョンキックはどこから蹴ると最も入りやすいか」という問題を,データを用いて統計的に考察したものと,図形を用いて数学的に考察したものを比較し,類似点や相違点を明らかにした.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
統計教育では,統計的探究プロセス(問題,計画,データ,分析,結論)を経て問題解決を行うことが目指されている.統計的手法の獲得だけでなく,統計的探究プロセスの各相を遂行する力の育成をしていく必要があるが,「グループ比較についての推論」に関する研究を進める中で,「計画」の相で収集するデータについて考察する機会は,中学3年生の「標本調査」単元のみしか位置付けられていない点が不十分に感じた.標本調査の学習では,標本(データ)が母集団の縮図となっているかが議論の対象となり,収集するデータそのものについて議論する機会が少ない.データについて考える機会を中学3年生以前から段階的に指導していく必要がある.
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