研究課題/領域番号 |
23H05096
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研究種目 |
奨励研究
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
1180:教科教育学および初等中等教育学関連
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研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
赤川 峰大 神戸大学, 附属学校部, 副校長
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
420千円 (直接経費: 420千円)
2023年度: 420千円 (直接経費: 420千円)
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キーワード | 演繹的な説明 / 証明 |
研究開始時の研究の概要 |
普遍例化は,演繹的に論理を構成するための重要な要素として位置付けられている.一方小学校段階の説明はカリキュラム上の位置付けがほとんどないため,児童は普遍例化を用いた構成について明示的に学習していない.しかし赤川(2020)は,小学校段階においても普遍例化を用いて演繹的に説明を構成することに個人差がある実態を明らかにした.この個人差が中学校段階における「証明」に関する課題につながっている可能性が指摘できる.そこで本研究では,普遍例化を用いた説明の構成に焦点をあてた小学校段階の実態調査ならびに授業プログラムの開発を目的とする.開発によって小学校算数科授業における説明活動の質的改善をめざす.
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研究成果の概要 |
本研究では赤川(2020a,b)の成果に基づいて,普遍例化を用いた説明の構成に焦点をあてた小学校段階の実態調査を目的とした.調査は,四角形の内角の和が360°になる理由を自由記述形式で説明する調査であった.児童の自由記述を,説明に必要な命題に関する記述の有無を分析した.児童の自由記述による説明を必要な命題に該当する記述の有無で評価すると,児童の自由記述を差別化することはできた。3割の児童が普遍例化に必要な命題を含めた全ての命題を記述しており,それらの児童は,まず「要素的下位レベル以上」であると考えられる。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
学習指導要領(文科省,2017)では,算数・数学教育における演繹的推論を働かせた「筋道立てて考え,表現する力」は,数学で扱う論理の基盤として重要視されている.そのため近年,小学校算数科の「説明」を数学の「証明」の萌芽と捉え,系統的に育成しようとする動向があるが,小学校現場において目的の希薄な算数科の説明活動が散見される.その改善のために,「普遍例化」に着目し,系統的育成の可能性を研究した.本研究によって,小学生の普遍例化の実態が明らかになったことによって,今後必要な学習が検討できる段階になり,小学校算数科授業における説明活動の質的改善を図られ,演繹的推論の系統的育成につながると考えている.
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