研究課題/領域番号 |
23H05111
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研究種目 |
奨励研究
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
1190:特別支援教育関連
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研究機関 | 熊本大学 |
研究代表者 |
須惠 耕二 熊本大学, 技術部, 技術専門職員
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
470千円 (直接経費: 470千円)
2023年度: 470千円 (直接経費: 470千円)
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キーワード | 視覚障害 / 教材開発 / 社会実装 / 作図 / 触察 / 教材 |
研究開始時の研究の概要 |
全盲児が凸点線を触察して図形・地図を理解する市販教材はシートが使い捨てで交換が必要なため、幼児が夢中で取り組むお絵かきをさせるのは難しい。 しかし、幼児期に作画活動を自由にできてこそ拡散的好奇心や学習欲求が発生していく。 そこで、筆記時に音や感触で変化が分かり、筆跡を触察でき、何度でも繰り返して使える可動ピン式の表面作図器を開発する。 本研究は、開発したピン式平面作図器を全国の盲学校に教材として提供することで視覚障害児の教育活動を支援する。
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研究成果の概要 |
盲学校で図形等を学ぶ際に用いる教材レーズライターは、専用フィルムが使い捨てで交換の手間・費用が嵩み、知育上重要な「好きなだけ自由に描く」という機会を児童に提供しづらい。そこで、平板にφ2mmのピンを3.5mm間隔で約3,250本配し、磁石ペンで吸い上げて触読が可能となる「ピン式平面作図器」を開発した。ピンを押し戻せば繰り返し使用できる。 これを盲教育の研究会とWebアンケートで全国の盲学校へ公開し導入希望調査を行った結果、6校への先行導入を含む41校から導入希望が寄せられ、新教材として盲教育現場の高い期待が集まる結果となった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
ピン式平面作図器を実際にテストした盲学校教員の多くが「これは面白い!」「触ってはっきり分かる」と高い関心を持ち、意見調査では開発時想定の図形・地図学習以外に、算数の式やグラフ描写、使用しないものの関心が高い文字・漢字の形状理解に用いることなど、視覚障がい児の知識獲得・知的好奇心の充足に広く役立つ可能性を示した。さらに、インクルーシブ教育校より晴眼児と視覚障がい児が図当てクイズ等でコミュニケーションを図れるツールとする回答もあった。全国66校の盲学校に行った導入希望調査では、回答43校中95%にあたる41校が導入を希望している。
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