研究課題/領域番号 |
23H05208
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研究種目 |
奨励研究
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
2160:土木工学、建築学、航空宇宙工学、船舶海洋工学、社会システム工学、安全工学、防災工学およびその関連分野
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研究機関 | 兵庫県警察本部刑事部科学捜査研究所 |
研究代表者 |
杉浦 雄大 兵庫県警察本部刑事部科学捜査研究所, 兵庫県警察一般職員(研究職)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
330千円 (直接経費: 330千円)
2023年度: 330千円 (直接経費: 330千円)
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キーワード | 交通事故 / 着衣人体 / 路面 / 摩擦係数 / ダミー |
研究開始時の研究の概要 |
交通事故解析において、着衣人体-路面間の摩擦係数は重要な基礎データである。これまで種々の実験計測が行われているが、各実験で得られた値が大きく異なっており、文献により実験条件が異なるため速度、着衣、人体挙動及び路面条件等が摩擦係数に与える影響等については十分な知見がない。 そこで本研究では、ダミー人形を用いた実験を実施し、車両速度、着衣、人体挙動、路面条件が摩擦係数に与える変化を調査することとした。
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研究成果の概要 |
交通事故解析で重要な着衣人体-路面間の摩擦係数について、速度、着衣の素材、人体挙動及び路面条件等による影響が不明確な背景から、牽引及び切り離しの2種の手法で摩擦係数を計測した。牽引法では、低速(クリープ走行)で、ダミー着衣と路面状態を条件とした実験を行い、牽引荷重を計測する手法で摩擦係数を求めた。その結果、全ての条件で0.6~0.7程度の値となった。切り離し法では、走行速度を条件とし、直立状態のダミーを落下させる実験を行い、落下位置から停止位置までの移動距離を計測する手法で摩擦係数を求めた。その結果0.6~0.9程度の値となり、特に高速域(50km/h)程度では牽引法とほぼ同程度の値となった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
交通事故で事故当時車両の速度算出等を行う場合、個々の事案により条件が様々で適切な着衣人体-路面間の摩擦係数の選定が課題となっていた。 今回、着衣の素材、路面の状態を変更した牽引実験に加え、実際の事故状況に近い切り離し法による実験を複数回行い、概ね同程度の値(0.6~0.9程度)が得られたことから、様々な事故形態に対して上記の摩擦係数が適用可能である可能性が示唆されたものと考えられる。
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