アジアゾウは日本動物園水族館協会の定めるコレクションプランにおいて、最も優先的に繁殖に取り組むべき種の一つとされているが、国内の繁殖成功例は少ない。理由は多数あり、発情周期が約100日と長いこと、ゾウの生態に基づき常時雌雄同居はできないこと、発情兆候が分かりにくいこと等が挙げられる。 本研究はアジアゾウにホルモン処置を実施することで定時的な発情誘起を試みるものである。実現できれば、繁殖適期の推定が不要となり、国内飼育下個体群の拡大に大きく寄与すると考えられる。またゾウ以外の野生動物においても応用が期待でき、絶滅危惧種の繁殖を助ける重要な技術になると考えられる。
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