研究課題/領域番号 |
23H05252
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研究種目 |
奨励研究
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
3130:薬系化学および創薬科学関連
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研究機関 | 高知大学 |
研究代表者 |
西村 さとみ 高知大学, 医学部附属病院, 薬剤師
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
440千円 (直接経費: 440千円)
2023年度: 440千円 (直接経費: 440千円)
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キーワード | 植物由来ナノ粒子 / 神経膠腫 / 抗がん剤 |
研究開始時の研究の概要 |
神経膠腫の薬物療法は乏しい。その主要な理由は、血液脳関門(blood brain barrier:BBB)の存在により、脳に薬物を到達させることが困難であるためである。申請者は、BBBで遮断されることなく患部に薬物を到達させる方法として、細胞外小胞の一つであるエクソソームに注目した。また、エクソソームはそれ自体に抗腫瘍活性を持つものがいくつか報告されている。そこで本研究では、エクソソームの中から神経膠腫に対して抗腫瘍活性を有するものを選抜し、その中に既存の抗腫瘍薬を封入することで、強力な抗腫瘍作用を有し、かつ標的部位である脳に到達する薬物輸送担体の候補を探索し、新規治療薬の創薬を目指す。
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研究成果の概要 |
本研究は、植物由来ナノ粒子を用いた新規神経膠腫治療薬の開発を目指して検討を行った。先ず、薬用植物及び野菜、果実から50種類のELNsを抽出し、2種類のヒトグリオーマ由来細胞(U251、U87)に対する細胞増殖抑制作用を評価した。その結果、ニラ(Allium tuberosumの地上部)及び、蒼朮(Atractylodes lanceaの根茎)由来のナノ粒子に強力な細胞増殖抑制活性があることを見出した。さらに、ナノ粒子中に含まれる成分の分析も行い、ナノ粒子中に複数のmiRNA及び植物二次代謝産物が含まれることが分かった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究の結果、ニラ(Allium tuberosumの地上部)及び、蒼朮(Atractylodes lanceaの根茎)由来のナノ粒子が新規神経膠腫治療薬の候補となることが示唆された。植物由来ナノ粒子の神経膠腫に対する作用を評価した報告例は無く、本研究が初めての報告である。そのため、当該領域の創薬研究に大きく貢献できたと考えている。
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