本研究の特色は、タキサン系抗がん剤投与による化学療法誘発性末梢神経障害(CIPN)発現時における神経部位等の酸化ストレス亢進状態に着目し、尿または血液中8-OHdG濃度の測定、すなわち、体内の酸化ストレス状態を評価する点にある。尿・血液中8-OHdG濃度とCIPN発現およびその重症度に、有意な関係性を示すことが出来れば、タキサン系抗がん剤投与患者における経時的な尿・血液中8-OHdG濃度のモニタリングがCIPNの早期発見および増悪防止に寄与し、CIPNの新規バイオマーカーとして、患者のQOLや生命予後の向上に寄与できると考える。
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