研究課題/領域番号 |
23H05307
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研究種目 |
奨励研究
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
3180:医療薬学関連
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研究機関 | 浜松医科大学 |
研究代表者 |
坂口 健太 浜松医科大学, 医学部附属病院, 薬剤師
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
480千円 (直接経費: 480千円)
2023年度: 480千円 (直接経費: 480千円)
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キーワード | ボノプラザン / 薬物動態 / CYP3A4 / 4β-ヒドロキシコレステロール / ガストリン / 薬物血中濃度 / バイオマーカー |
研究開始時の研究の概要 |
ボノプラザンは新規の酸分泌抑制薬であり、血中動態・治療効果の変動が少ないと考えられており、従来のプロトンポンプ阻害薬(PPI)に治療抵抗性を示す逆流性食道炎やヘリコバクター・ピロリの除菌治療に使用されている。 一方で強力な酸分泌抑制効果を持つボノプラザンによる高ガストリン血症が報告されており、ボノプラザンの血漿中濃度の上昇には注意が必要である。ボノプラザン及び代謝物ODA-VP の血漿中濃度と代謝比を評価し、バイオマーカーとの関連性を解析することでボノプラザン血中動態の個人差要因を明らかにする。また、ボノプラザンの血中動態と血中ガストリン濃度との関連性を評価する。
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研究成果の概要 |
ボノプラザン及び代謝物の血漿中濃度を測定し、代謝比を算出した。CYP3A4/5代謝活性を反映する内因性バイオマーカーとして、4β-ヒドロキシコレステロール(4β-OHC)の血漿中濃度を測定し、4β-OHCの血中濃度とボノプラザン血中濃度との相関性が確認された。 血中ガストリン値をELISAにより測定し、血中ボノプラザン濃度との相関性を解析し、ボノプラザン濃度はガストリン値に影響を与えないことが確認された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究により、4β-OHCの血中濃度がボノプラザンの血中濃度を推定するバイオマーカーとして活用できる可能性を示した。一方で血中ガストリン値と血漿中ボノプラザン濃度との相関性はなく、血漿中ボノプラザン濃度はガストリン値に影響しないことが確認された。 今回、ボノプラザン及びその代謝物の血漿中濃度とCYP3A5遺伝子多型・CYP3A活性マーカーとの関連性を解析することで、ボノプラザン血中動態の個人差要因を一部明らかにした。今後さらなる個人差要因の特定を行うことで、ボノプラザンの血中濃度低下による治療失敗を防ぐとともに、遺伝子多型などを指標としたボノプラザンの個別化投与設計の確立が期待できる。
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