研究課題/領域番号 |
23H05315
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研究種目 |
奨励研究
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
3180:医療薬学関連
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
土谷 祐一 九州大学, 大学病院, 薬剤師
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
480千円 (直接経費: 480千円)
2023年度: 480千円 (直接経費: 480千円)
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キーワード | クロザピン / メタボロミクス / 治療薬物モニタリング |
研究開始時の研究の概要 |
治療抵抗性統合失調症治療薬クロザピンは、無顆粒球症などの重篤な副作用のリスクを伴う。これまでクロザピン血中濃度と薬効や一部副作用との関連については報告されているが、薬理活性を持つ代謝物の有効血中濃度や副作用発現を予測するバイオマーカーについてはエビデンスの蓄積が待たれる。本研究では薬物血中濃度モニタリングとメタボローム解析を用いてクロザピン及びその代謝物血中濃度の目標治療域の設定と副作用発現の予測バイオマーカー探索を行い、クロザピン使用最適化のための基盤的情報取得を目指す。
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研究成果の概要 |
本研究では九州大学病院精神科神経科に通院する患者のうち、クロザピンを内服中の患者30名を対象とし、LC-MS/MSを用いてクロザピン及び複数の活性代謝物血中濃度の測定とメタボローム解析を行う計画を立てた。しかし、該当疾患の患者の臨床研究へのリクルートに難渋した。そのため、研究期間において十分な母数を収集することができなかった。そこでクロザピンの副作用の中で特に問題となる好中球減少症についてHL-60細胞を用いて、その機序の解明を試みた。メタボローム解析の結果いくつかの候補バイオマーカーを検出した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
クロザピンは治療抵抗性統合失調症に対して唯一効果が示されている薬物である。しかし、無顆粒球症などの致命的な副作用が発現することから、その導入には慎重を要する。クロザピンの副作用発現の分子メカニズムは複雑であり、十分に解明されていない。クロザピンを有効かつ安全に使用するためには副作用発現の機序の解明と、副作用発現を予測するバイオマーカーの発見は急務である。 本研究で検出された候補バイオマーカーの有用性を精査することでクロザピン薬物治療を行う多くの患者の福音となることが期待される。
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