研究課題/領域番号 |
23H05316
|
研究種目 |
奨励研究
|
配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
3180:医療薬学関連
|
研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
小林 暉英 大阪大学, 医学部附属病院, 薬剤師
|
研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2024-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
480千円 (直接経費: 480千円)
2023年度: 480千円 (直接経費: 480千円)
|
キーワード | 末梢神経障害 / オキサリプラチン / プロトンポンプ阻害薬 / 薬物トランスポータ / ドラッグリポジショニング / 薬物間相互作用 / 医療リアルワールドデータ / 医療ビッグデータ |
研究開始時の研究の概要 |
オキサリプラチン(L-OHP)による化学療法誘発性末梢神経障害(CIPN)は高頻度で発現することから、臨床上大きな問題となっているが有効な予防法は未だ不十分な状況である。本研究では、L-OHPを含むレジメンを適用された全患者を対象とした大規模な実臨床データを用いてCIPNに対するPPI併用の影響を検討し、in vitro細胞実験系により薬物トランスポータを介したL-OHPの輸送に及ぼすPPIの阻害効果を評価することで、PPIの薬物間相互作用を利用したL-OHPの末梢神経障害に対する基礎及び臨床的視点からのエビデンスを構築する。
|
研究成果の概要 |
オキサリプラチン(L-OHP)による化学療法誘発性末梢神経障害(CIPN)は高頻度で発現することから、臨床上大きな問題となっているが有効な予防法は未だ不十分な状況である。本研究では、後方視的調査および医薬品副作用報告データベース解析から、プロトンポンプ阻害薬(PPI)がL-OHP誘発性CIPNを軽減できる可能性を見出した。さらに、in vitro細胞実験系の結果から、PPIは有機カチオントランスポータ2(OCT2)を阻害することにより、L-OHP誘発性CIPNを抑制する可能性を明らかにした。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究成果は、未だ効果的な予防及び治療薬の開発に至っていないL-OHP誘発性CIPNを最小限に抑えるために、新たな軽減手法を確立するための有用な新知見であると考えられる。さらに、PPIは比較的安全性が高いため、予防及び治療薬が存在しないアンメット・メディカル・ニーズに応え、既存薬を転用して新たな疾患の治療薬として開発するドラッグ・リポジショニングを兼ね備えた、L-OHP誘発性CIPNの新規支持療法薬として期待される社会的意義の高い研究である。
|