研究課題/領域番号 |
23H05319
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研究種目 |
奨励研究
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
3190:生体の構造と機能、病理病態学、感染・免疫学およびその関連分野
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研究機関 | 信州大学 |
研究代表者 |
高橋 有希 信州大学, 医学部, 研究支援推進員
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
480千円 (直接経費: 480千円)
2023年度: 480千円 (直接経費: 480千円)
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キーワード | 筋拘縮型エーラス・ダンロス症候群 / Chst14 KOマウス / 骨病変 / 骨代謝 / 骨損傷モデル / Chst14 KO マウス |
研究開始時の研究の概要 |
筋拘縮型エーラス・ダンロス症候群(mcEDS)は結合組織の脆弱性による骨・関節病変を認める。特に進行性の脊椎変形による運動機能障害はQOL低下の最大の原因であるが、その発症機序は明らかでない。mcEDSではCHST14の病的変異による硫酸基転移酵素D4ST1の活性消失の結果デルマタン硫酸欠乏が生じる。申請者はChst14欠損マウスで患者類似の進行性の脊椎変形を発見し、若齢期からの骨密度や強度の低下や骨変形、1歳齢で骨吸収優位である可能性を突き止めた。本研究ではmcEDSの骨・関節病変の発症機序解明を目指し、骨損傷モデルを用いてChst14欠損マウスでの骨再生過程の観察と関連因子の解析を行う。
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研究成果の概要 |
本研究では、デルマタン硫酸(DS)欠損を有する疾患である筋拘縮型エーラス・ダンロス症候群(mcEDS)の骨病態の解明を目的に、疾患モデルマウスを用いて骨損傷モデルを作製し、骨修復過程におけるDS欠乏の影響を解析した。その結果、μCT画像による経時的な骨孔の修復過程の観察では、骨孔閉鎖期間に有意な差は認められなかった。一方、摘出骨における骨孔部分を含む皮質骨の体積の計測では、野生型マウスよりも疾患モデルマウスの体積の増加が緩やかであり、仮骨様構造の吸収の時期も遅れる傾向が認められた。以上から、DS欠乏は骨の修復を遅らせることが示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
今回、筋拘縮型エーラス・ダンロス症候群(mcEDS)患者類似の進行性の脊椎変形等の骨病変を有する疾患モデルマウスにおいて、骨の修復過程の遅延が認められた。このことから、骨の形成や吸収といった骨代謝のバランスが乱れることが骨病変の発症や進行に関与することが示唆された。 本研究成果は、患者の運動機能障害によるQOL低下を引き起こすmcEDSの骨病変の発症機序解明の一助となり、将来的な治療法開発につながることが期待できる。
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