研究課題/領域番号 |
23H05337
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研究種目 |
奨励研究
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
3190:生体の構造と機能、病理病態学、感染・免疫学およびその関連分野
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研究機関 | 順天堂大学 |
研究代表者 |
藤城 真樹 順天堂大学, 大学院医学研究科, 技術補助員
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
480千円 (直接経費: 480千円)
2023年度: 480千円 (直接経費: 480千円)
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キーワード | ループス腸間膜血管炎 (LMV) / 腸内細菌叢由来代謝産物 / プロピオン酸 |
研究開始時の研究の概要 |
全身性エリテマトーデスにみられる腹痛の1つに、ループス腸間膜血管炎(以下、LMV)がある。LMVの病態は血管炎を生じ、腸管出血を伴う場合は予後が悪い。これまでに当研究グループではLMV誘導マウスモデルを作製し、LMV病態を発症することにより、マウス糞便中で腸内細菌叢由来短鎖脂肪酸であるプロピオン酸が増加することを明らかにした。本研究では、同定したプロピオン酸がLMV病態の主因である血管炎にもたらす影響について検証する。また、プロピオン酸産生菌を同定し、それらを調整することにより、将来的にはLMV病態のコントロールや予防方法の提唱を目指す。
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研究成果の概要 |
ループス腸間膜血管炎(LMV)は、全身性エリテマトーデスにみられる合併症の一つで、血管炎を主因とする病態である。一般的な治療はステロイド投与であり、病態に特化した副作用の少ない治療法の開発が望まれる。我々は、誘導LMVマウスモデルを樹立し、解析した過程で、LMV誘導により糞便中で有意にプロピオン酸が増加することを明らかにした。 本研究は、誘導LMVマウスモデルを用い、高用量のプロピオン酸が病態の発症や悪化にどのように関与するか検討した。その結果、LMV誘導でみられた血小板の活性化や血管壁の肥厚が抑制された。今後は、プロピオン酸がLMVの病態にどのように関与しているのか検証を進めていく。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
LMV病態でみられる血小板の活性化や血管壁の肥厚をプロピオン酸が抑制することを明らかにした。したがって、LMV誘導による腸内のプロピオン酸濃度の増加は、さらなるLMV病態の悪化を防ぐためのメカニズムであることが示唆された。将来的には、シンバイオティクス等を用いて、腸内のプロピオン酸濃度を調節する手法を開発し、LMV病態の予防や改善、病態に特化した治療法の開発などに寄与できる可能性がある。
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