研究課題/領域番号 |
23H05358
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研究種目 |
奨励研究
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
3230:口腔科学およびその関連分野
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研究機関 | 長崎大学 |
研究代表者 |
大平 ちひろ 長崎大学, 病院(歯学系), 歯科技工士
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
350千円 (直接経費: 350千円)
2023年度: 350千円 (直接経費: 350千円)
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キーワード | ジルコニア |
研究開始時の研究の概要 |
補綴装置としてのジルコニアは金属に比べると,前装用コンポジットレジンとの接着性が高いとは言えないのが問題点である. 我々は加工されたジルコニアフレームの表面に,後から微小なジルコニア製ビーズを焼結させる方法を考案した(2017 Fukuiら).今回は低粘度のコンポジットレジンを使用し,ビーズによって形成された凹凸へ流入することで機械的維持により接着強さを向上させることができるのではないかと考えた. 接着試験用として作製した試料を50000回の水中熱サイクル耐久試験に供した後,せん断試験を行い,接着強さを評価する.また走査型電子顕微鏡で破断面の観察を行い,次の試験にフィードバックする.
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研究成果の概要 |
本研究は,ジルコニアビーズを付与したジルコニアフレームをコンポジットレジンに接着させる上で,低粘度のレジンの使用により接着耐久性を向上させることを目的とした.ジルコニアにジルコニアビーズを焼結させた試料を作製し,前装用コンポジットレジンのみを使用する群と,フロアブルレジンを併用する群を用意し,接着強さを評価した.フロアブルレジンは前装用コンポジットレジンより流動性が高いため,ビーズ同士のアンダーカットに流入しやすくなることでせん断接着強さが向上することが期待されたが,実際に両群で有意差は認められなかった.前装するレジンの物性の違いは接着への影響が小さかったと考えられる.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
ジルコニアは審美的,強度的に優れた材料だが,耐薬品性があり,焼結後の加工が難しいことから前装前の接着処理が課題となっている.本研究では,ビーズを付与したジルコニアに対してコンポジットレジンに加えて低粘度のレジンを使用することで,接着耐久性を向上させることを目的とした.研究の結果から,前装するレジンの物性の違いは接着への影響が小さかったことが推察された. ジルコニアはクラウンブリッジや義歯のフレームワーク,インプラントの上部構造などに幅広く利用されている.本研究のジルコニアへの機械的維持を付与する手法が確立されれば,様々な補綴物の接着に応用でき,臨床応用の範囲はさらに拡大すると考えられる.
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