研究課題/領域番号 |
23H05371
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研究種目 |
奨励研究
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
3250:スポーツ科学、体育、健康科学およびその関連分野
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研究機関 | 順天堂大学 |
研究代表者 |
阿瀬 寛幸 順天堂大学, 医学部, 作業療法士 係長
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
480千円 (直接経費: 480千円)
2023年度: 480千円 (直接経費: 480千円)
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キーワード | 転移性骨腫瘍 / リハビリテーション / 日常生活動作 / 多職種協働 / 生活支援 / 骨転移 |
研究開始時の研究の概要 |
転移性骨腫瘍(以下骨転移)に伴う脊髄損傷を負った患者は、脊髄損傷部位に応じた獲得動作の予測が不明確で、社会復帰支援に難渋することが多い。その原因として、①骨脆弱性や脊髄圧迫に伴う新たな病的骨折や麻痺症状増悪の可能性、②動作に伴う制御困難な身体的疼痛、③悪性腫瘍や治療の副作用による体力や筋力の低下、などがある。 そこで、本研究では、骨転移に伴う脊髄損傷患者の生活機能自立度に骨脆弱性や疼痛、全身状態が及ぼす影響を検討し、生活機能自立度に関連する因子を明らかにすることで、早期から機能予後を見越し、多職種での円滑な生活再建の支援に活用することを目的とする。
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研究成果の概要 |
2012年から2022年に骨転移により脊髄損傷を呈し、入院加療した153例(男性102名、女性51名、平均年齢66.7±12.5歳)を対象として、退院時の日常生活動作自立に関連する因子を特定するために、先行研究より、日常生活動作自立に影響を与えると予測される項目をリスク因子として、電子化された診療録より抽出し、ロジスティック回帰分析を用いて検討を行った。結果、退院時の日常生活動作自立に影響を及ぼす因子として、年齢、原発巣の種類、治療開始時の麻痺の程度(ASIA機能障害尺度)、治療開始時のCRP/アルブミン比、動作に影響を及ぼす疼痛の有無、が有意に関連することが明らかとなった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究結果を活用することにより、脊椎転移患者の生活動作に介助や環境調整などが必要だと予測される対象群を早期から抽出することが可能となる。また、それぞれの要因に対し、①病的骨折や麻痺など運動に対するリスクを適切に評価し、安静と活動開始のタイミングを多職種で共有する、②疼痛や栄養状態などに対する支持療法を十分に考慮する、③早期から必要な代償手段(環境調整や社会資源導入検討)の提案を積極的に行う、など適切な支援方法を医師、看護師、療法士、ソーシャルワーカーなどを中心とした多職種チームで共有し、早期から協働することができ、入院期間短縮と更なる生活の質(QoL)改善が期待される。
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