| 研究課題/領域番号 |
23H05428
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| 研究種目 |
基盤研究(S)
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| 配分区分 | 補助金 |
| 審査区分 |
大区分A
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| 研究機関 | 帝京大学 |
研究代表者 |
岡ノ谷 一夫 帝京大学, 先端総合研究機構, 教授 (30211121)
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| 研究分担者 |
勝 野吏子 大阪大学, 大学院人間科学研究科, 講師 (30779955)
香田 啓貴 東京大学, 大学院総合文化研究科, 准教授 (70418763)
橘 亮輔 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 情報・人間工学領域, 主任研究員 (50610929)
結城 笙子 国立研究開発法人国立精神・神経医療研究センター, 神経研究所 疾病研究第三部, リサーチフェロー (60828309)
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| 研究期間 (年度) |
2023-04-12 – 2028-03-31
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| 研究課題ステータス |
交付 (2025年度)
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| 配分額 *注記 |
200,980千円 (直接経費: 154,600千円、間接経費: 46,380千円)
2025年度: 38,350千円 (直接経費: 29,500千円、間接経費: 8,850千円)
2024年度: 38,350千円 (直接経費: 29,500千円、間接経費: 8,850千円)
2023年度: 47,580千円 (直接経費: 36,600千円、間接経費: 10,980千円)
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| キーワード | コミュニケーション / 模倣 / 共感 / 報酬 / 交替行動 / 動物 / 至近要因 / 交唱行動 / 交代行動 / 動物行動 |
| 研究開始時の研究の概要 |
コミュニケーション行動は、他者との共感のもと他者の行動を模倣する形で信号をやりとりし、結果として内的・外的な報酬を得ることから成り立つ。コミュニケーション行動をこれらの認知システム間の相互作用として捉えることで、その本質的な理解が進むはずだ。本研究は鳥類、齧歯類、ヒトを含む霊長類まで、多様な動物種の多彩なコミュニケーション行動を対象として、神経回路から行動までを統合的に理解しようとするものである。
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| 研究実績の概要 |
本研究の目的は、模倣、共感、報酬という3つの認知機構にもとづき、コミュニケーション行動の個体内機構をさぐること、そしてそれによりコミュニケーション行動のマクロなモデルである符号化モデルと意図明示モデルとのギャップを埋め、ミクロからマクロを統一し、主観性を排するコミュニケーションのモデルを作ることにある。 このため、初年度には、これら3つの認知機構についてミニマルなセッチングにおける研究パラダイムを作ること、およびトリ、ラット、霊長類に共通な行動計測プラットフォームを作ることを目標とした。 模倣と報酬については、歌鳥の一種であるキンカチョウを対象として、歌学習中の若鳥が、父親の歌を聴く際のドパミンの役割を解明した。ドパミンレベルを操作することで、聴覚ニューロンの活動が操作できるのである。共感と報酬についての研究では、ラットを対象として前帯状回と扁桃体ニューロンの情動音声への応答性を計測した。前者では快音声への、後者では不快音声への応答が見られた。 動物種に共通な研究プラットフォーム作りについては、鳴き交わし(交唱)行動と交互レバー押し(交代)行動を用いることになった。サル、トリでは自然な鳴き交わしのタイミングが計測可能である。特にブンチョウとマーモセットを対象とした交唱研究で興味深い発見があった。ブンチョウでは鳴き交わしは「烏合の衆」的な様相を示し、他個体が鳴けば自分がなく頻度も上がる、という程度の関係性であったが、マーモセットでは他個体が鳴いてから自己が鳴くまで一定の潜時があった。またキンカチョウを使った研究で、署名声の発声をオペラントとして、他個体の姿が見えることを報酬として、条件づけ可能であることがわかった。 以上のように、本研究では、模倣、共感、報酬の3つの認知機構にもとづくコミュニケーション行動の理解を、着実に進めることができている。
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| 現在までの達成度 |
現在までの達成度
2: おおむね順調に進展している
理由
初年度において、模倣、共感、報酬を生物心理学的に研究するためのパラダイムとして、発声学習(鳥類)および情動発声(齧歯類)を対象とした研究を開始した。 これらの研究については、行動から神経活動まで、生物心理学的な研究方法を確立することができた。模倣と報酬については鳥類の発声学習中の聴覚発声系とドパミンの相互作用を探る。共感については齧歯類の快不快音声とそれらへの接近行動を指標として、情動系の神経活動や遺伝子発現を探る。これらの研究は未だ論文として公にするには至らないものの、コミュニケーション研究の至近要因を研究を進めることができた。 また、特に鳴き返し(交唱)行動を、鳥類、齧歯類、霊長類と、種を超えた共通プラットフォームとして利用する準備を整えることができた。特に鳥類を使った研究では、コミュニケーションの明示的な外的報酬として他個体の姿を利用できることが明らかになった。同様に、ヒトを対象とした研究でも、自発発声への返答音声が強化刺激となりうることも示した。 こらに加え、コミュニケーション行動の新たな指標として顔の温度変化の利用(ニホンザル)、自己とのコミュニケションの指標として振り返り行動(ラット)を確立した。 以上から本研究の進捗はおおむね順当であると言える。
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| 今後の研究の推進方策 |
今後の研究では、模倣、共感、報酬をより総合的に扱うことができる研究を推進する。 ラットとトリを対象に、自由行動下の個体から局所電場電位を記録し、これとコミュニケーション行動との対応を記録する研究パラダイムを確立する。また、ラットにおいて快発声がコミュニケーション文脈でどう利用されるのかを分析し、ラットの鳴き返しはブンチョウ型の烏合の衆なのか、マーモセット型の相手の声に応じて異なる応答を示すのか、を知りたい。このため、超音波発声の定位技術を確立し、複数個体トラッキングシステムと同時に動かす必要がある。 ヒトについても、発声中の脳波を雑音を押させて記録するシステムを確立し、交唱行動の同期性を解明したい。こうしたデータは直接にラット、鳥類、ヒト以外の霊長類のデータと比較ができるので重要である。 種を超えて、2個体コミュニケーションについて生物心理学的なデータを計測できるようになったら、個体数を増やして同様な研究を進める。こうなってくると解析技術が難しくなってくると考えられる。複数個体における神経活動と行動の引き込みをどのように分析するのか、データ処理についても新たな展開が必要となってくるであろう。また、複数行為者モデルによるシミュレーションも視野に入れた分析方法を検討する必要も出てくるであろう。
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| 評価結果 |
中間評価
A: 順調に研究が進展しており、期待どおりの成果が見込まれる
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