研究課題/領域番号 |
23H05440
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研究種目 |
基盤研究(S)
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
大区分B
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研究機関 | 国立研究開発法人理化学研究所 |
研究代表者 |
四日市 悟 国立研究開発法人理化学研究所, 仁科加速器科学研究センター, 専任研究員 (20360670)
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研究分担者 |
成木 恵 京都大学, 理学研究科, 教授 (00415259)
佐藤 進 国立研究開発法人日本原子力研究開発機構, 原子力科学研究所 先端基礎研究センター, 研究副主幹 (70302346)
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研究期間 (年度) |
2023-04-12 – 2028-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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配分額 *注記 |
205,920千円 (直接経費: 158,400千円、間接経費: 47,520千円)
2024年度: 48,100千円 (直接経費: 37,000千円、間接経費: 11,100千円)
2023年度: 69,420千円 (直接経費: 53,400千円、間接経費: 16,020千円)
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キーワード | 実験核物理 / 量子色力学 / GEM / 電子検出器 / 飛跡検出器 |
研究開始時の研究の概要 |
この研究では、原子核中における中間子質量変化現象の存在を確立し、さらに、質量変化の運動量依存性(原子核物質中での分散関係)をはじめて測定する。申請者が実験代表者であるJ-PARC E16実験は、これまでの科研費で、8モジュールからなる第一期スペクトロメータを完成、J-PARC高運動量ビームラインで試運転を開始しており、2023年度の試運転ではビームの改良が行われる。検出器モジュールの追加をしつつ、2024年度と2026年度の二回の物理データ収集ビームタイムにより、原子核内のクォーク凝縮を導出し、また質量変化の運動量依存性を得る。
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研究実績の概要 |
2022年度に8モジュール態勢が完成した電子陽電子対測定用スペクトロメータについて、J-PARC 高運動量ビームラインにおいて、2023年6月に試運転ビームタイムを遂行した。このビームタイムは、施設火災発生のため、予定の10%程度、およそ21時間で中断したが、不十分な量のデータにもかかわらず、懸案であったビームの時間的微細構造の一部解消と、データ収集システムの性能向上が確認された。ただし、時間不足のため、物理データ収集用のトリガーでの確認に至ってはおらず、今後のビームによる確認が必要である。 これまでのビームタイムで確認されたスペクトロメータの性能は、ほぼ設計性能をみたしている。本年度はとくにHBD(ハドロンブラインド電子検出器)やGTR(GEM飛跡検出器)の性能について、論文発表、国際会議における発表を行った。さらにGTRの建設過程に関しての論文出版を行った。データ収集システムの概要、とくに本年度のビームタイムで確認されたデータ収集システムの改良に関して国際会議で発表した。また、本研究の計画概要、測定感度や、とくに中間子の偏極方向を分けた上での質量の測定可能性について国際会議等での発表を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
ビームタイムについては研究実績の概要のとおり、施設都合で中断したが、限られた条件の中で収集したデータにもとづけば、ビームの時間的微細構造は改善しており、また、データ収集システムの性能は予定通り向上しており、今後物理データ収集トリガーでの実証から物理データ収集へと進むことができる。 予算使途としては、データ収集システム強化のために計算機を購入した。また、5年計画の後半に予定している検出器モジュール増強に備えて、読み出し回路/トリガー論理回路/HV電源の製作・試作・購入や、GTR(GEM飛跡検出器)読出基板の試作を行った。
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今後の研究の推進方策 |
2024年度前半に予定されている再度の試運転ビームタイムにおいて、物理データ(電子対データ)収集用トリガーでのデータ収集効率が十分であることを確認し、J-PARC PACの審査を経て、物理データ収集にうつる。
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