| 研究課題/領域番号 |
23H05453
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| 研究種目 |
基盤研究(S)
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| 配分区分 | 補助金 |
| 審査区分 |
大区分D
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| 研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
中村 謙太郎 東京大学, 大学院工学系研究科(工学部), 教授 (40512083)
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| 研究分担者 |
宮本 英昭 東京大学, 大学院工学系研究科(工学部), 教授 (00312992)
田中 えりか 高知大学, 教育研究部総合科学系複合領域科学部門, 助教 (00972366)
野崎 達生 早稲田大学, 理工学術院, 教授 (10553068)
宮崎 隆 国立研究開発法人海洋研究開発機構, 海域地震火山部門(火山・地球内部研究センター), 主任研究員 (80371722)
近貞 直孝 国立研究開発法人防災科学技術研究所, 巨大地変災害研究領域地震津波発生基礎研究部門, 主任研究員 (90318197)
藤永 公一郎 千葉工業大学, 次世代海洋資源研究センター, 上席研究員 (90409673)
浅見 慶志朗 千葉工業大学, 次世代海洋資源研究センター, 主任研究員 (90963877)
大田 隼一郎 東京大学, 大学院工学系研究科(工学部), 講師 (70793579)
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| 研究期間 (年度) |
2023-04-12 – 2028-03-31
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| 研究課題ステータス |
交付 (2025年度)
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| 配分額 *注記 |
205,140千円 (直接経費: 157,800千円、間接経費: 47,340千円)
2025年度: 39,130千円 (直接経費: 30,100千円、間接経費: 9,030千円)
2024年度: 34,190千円 (直接経費: 26,300千円、間接経費: 7,890千円)
2023年度: 65,260千円 (直接経費: 50,200千円、間接経費: 15,060千円)
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| キーワード | 地球システム / 資源探査 / 海洋天体衝突 / 隕石津波 / 削剥 / 海洋環境変動 / 海底鉱物資源 |
| 研究開始時の研究の概要 |
恐竜の絶滅に関する研究を契機として、様々な時代の地球環境変動や生物進化・絶滅に「地球外天体衝突」が重要な役割を果たしてきたことがわかってきた。しかし、地球表面の71%を占める海洋への天体衝突は、これまで解析の手掛かりが無かったためにその実態は不明であった。私たちは、海底鉱物資源「レアアース泥」の研究を通じて、深海堆積物に海洋における天体衝突の履歴が記録されていることを突き止めた。本研究では、深海堆積物コア試料の高解像度化学組成・同位体分析と隕石津波シミュレーションにより、海洋への天体衝突イベントが海洋環境と生物活動に与えた影響、さらにそれらが資源の形成に果たした役割を明らかにすることを目指す。
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| 研究実績の概要 |
本研究では、深海堆積物およびマンガンノジュールを対象として、天体衝突と地球表層進化の関連解明を目指し、各種先端的分析手法の開発と応用を実施している。 今年度は、まずICP-MSによる高解像度全岩化学組成分析において、クラスタリング手法を利用した新たな化学層序を確立することで、削剥面の詳細な実態解明を大きく前進させた。また、新規導入したレーザーアブレーション装置を用い、凍結乾燥と低粘性樹脂充填を組み合わせた未固結堆積物の試料作製手法を確立した。これにより、従来困難とされた未固結堆積物のLA-ICP-MSによる微小分析とそれによる削剥面構造の詳細解析を前進させることができた。 白金族元素濃度解析では、マンガンノジュール核周囲に天体衝突の痕跡とされる濃集層を初めて検出し、Os同位体層序年代法の適用により、約3400万年前(34 Ma)の衝突イベントを高精度に特定した。さらに、イクチオリス層序およびSr同位体層序と統合した年代測定手法により、太平洋広域の深海堆積物における過去6500万年間(65 Ma)の削剥イベントの反復発生を明らかにするとともに、Ba同位体分析からは古第三紀初期の超温暖化イベントに伴う生物活動変動を明らかにした。 加えて、隕石津波シミュレーションでは、衝突時のエジェクタの挙動および津波伝播モデルの作成において大幅な進展を見せた。さらに、深層学習を応用したイクチオリス自動検出や、X線CTによるマンガンノジュール層構造解析といった新規解析手法を導入し、解析精度と効率の大幅な向上を実現した。これらの成果は、本研究の最終目的である、海洋における天体衝突現象の実態解明および環境・生命・資源の相互作用を示す新たな地球観の創成に向けた重要な進展を示している。
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| 現在までの達成度 |
現在までの達成度
1: 当初の計画以上に進展している
理由
今年度の進捗として、深海堆積物コアの多元素分析とクラスタリング手法を組み合わせることで、高次元の化学的特徴に基づいた新たな化学層序を同定し、削剥面の特定および実態解明を大きく前進させた。また、新規導入したレーザーアブレーション装置を用い、凍結乾燥と低粘性樹脂充填を組み合わせた未固結堆積物の試料作製手法を確立し、従来困難とされた未固結堆積物の微小分析と、それを用いた削剥面構造の詳細解析を行うことを可能とした。 堆積物およびマンガンノジュール試料に対する白金族元素濃度分析では、従来検出されなかった堆積層準や、マンガンノジュール核周囲での白金族元素濃集層の初検出に成功し、隕石衝突の痕跡を提示する新知見を得た。また、Os同位体層序年代法により、マンガンノジュールから見出された衝突イベントの年代を約34Maと特定することに成功し、レアアース泥の超高濃度層形成との関連性も見出した。さらに、イクチオリス層序年代、古地磁気層序年代、Sr同位体層序年代、Coフラックス年代を統合した年代決定手法により、太平洋の堆積物コアにおいて複数回の削剥イベントの存在とその年代を特定した。 Nd、Pb、Ba同位体分析では、削剥面前後の層においてBa同位体比の低下を確認し、特に古第三紀初期の超温暖化イベント層における生物活動変動の指標としての有効性を示した。 シミュレーション解析では、隕石衝突に伴う津波伝播および深海底への影響を再現し、衝突シミュレーションソフトウェアiSALEの出力を津波計算に活用可能な形式へ変換するコードを開発するなど、物理モデルの構築が進んでいる。 以上のように、本研究では当初予定以上に順調にデータ蓄積を進めることができており、結果の論文化についても、滞りなく進んでいる。今後さらなる解析を通じ、海洋天体衝突と地球表層進化の解明に寄与するだけでなく、成果の関連分野への波及効果についても期待される。
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| 今後の研究の推進方策 |
令和7年度以降も、引き続き本研究の最終目標達成に向け、着実に研究推進を図る。 具体的には、まず、レーザーアブレーションICP-MSを用いた高解像度全岩化学組成分析を継続し、深海堆積物およびマンガンノジュール試料から削剥面の特定とその化学的・鉱物学的実態を詳細に解明する。これにより、従来捉えられなかった微細な衝突痕跡の検出と、海洋全体における堆積学的特徴の把握を目指す。 次に、ICP-QMSやTIMSによる白金族元素濃度分析およびマイクロX線CT装置による球状粒子検出を通して、天体衝突を示す直接的な証拠の高感度検出と、その分布解析を実施する。これにより、衝突規模や影響範囲を定量的に推定し、後続の年代解析との連携を図る。 さらに、Os同位体およびレーザーアブレーションを用いたU-Pb同位体測定により、独立した手法で高精度な衝突年代の決定を行う。これに加え、Nd、Pb、Ba同位体分析で、削剥面前後の海洋水塊構造や生物生産性の変動を高時間分解能で復元し、隕石津波がもたらした海洋環境変動のメカニズムを解明する。 また、数値衝突シミュレーションコード(iSALE)と津波伝播計算コード(JAGURS)の連成モデルを構築し、隕石津波の発生・伝播過程および深海底への影響を定量的に評価する。 そして、最終年度である令和9年度には、各分野で得られた解析・データを統合し、海洋天体衝突の物理的過程、衝突前後の環境および生物活動の変化、そして資源形成との関連性を包括的に考察する。これにより、宇宙との相互作用を含む新たな地球表層進化モデルの構築が期待される。
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| 評価結果 |
中間評価
A-: 一部に遅れ等が認められるため、今後努力が必要であるが、概ね順調に研究が進展しており、一定の成果が見込まれる
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