研究課題/領域番号 |
23K00001
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分01010:哲学および倫理学関連
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
宮原 克典 北海道大学, 人間知・脳・AI研究教育センター, 特任講師 (00772047)
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研究分担者 |
新川 拓哉 神戸大学, 人文学研究科, 講師 (20769658)
早川 正祐 東京大学, 大学院人文社会系研究科(文学部), 特任准教授 (60587765)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2025年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2024年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | エナクティヴィズム / 自己 / 習慣 / 身体性 / 自律性 / 京都学派 / 共感 / 尊重 / 情緒性 / 意識 |
研究開始時の研究の概要 |
現代の認知科学と哲学の領域において注目されている「エナクティヴィズム」の観点を認識論・存在論の諸問題に適用し、その哲学的な全体像を明らかにする。エナクティヴィズムでは、人間の認知が脳による計算処理ではなく、環境と関わり合う生物による身体的実践であると考える。本研究では、従来は知覚論と行為論を中心に展開してきたエナクティヴィズムの思想を(1)情緒的認識論、(2)エナクティヴな人間学、(3)心/身体/世界の存在論という三つの方向に発展させる。
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研究実績の概要 |
本研究は、情緒性や人格的自律性というテーマに注目して、エナクティヴィズムの哲学を認識論、人間学、存在論という三つの分野で発展させることを目指すものである。(1) 物語的自己と身体性の関係に対する考察を進め、物語的自己の構成における情緒性の役割に関するオリジナルな分析を構築し、国際誌『哲学的心理学(Philosophical Psychology)』で研究成果を発表した。(2)京都学派の哲学者上田閑照の自己論をエナクティヴィズムの自律性論の観点から解釈することで自己形成のダイナミクスの普遍的な形式を考察する研究を行った。研究成果は「調和(harmony)」の哲学をテーマにした英文書籍への掲載が確定している。(3)傾聴することで他者に共感するとはどのような身体的実践であるかを明らかにする研究を行った。研究成果をまとめた論文は国際誌でRevise & Resubmissionの評価を受け、現在、修正作業を進めている。(4)「尊敬」という概念をエナクティヴィズムの観点から考察する研究を進めて国際会議で研究報告を行った。研究成果は英文書籍への掲載が予定されている。(5)エナクティヴィズムの基本的な論点の整理を進めた。その成果に基づいて、初心者向けの解説論考を執筆した。本論は和書への掲載が確定している。また、2024年1月には脳情報通信融合研究センターにてエナクティヴィズムの基本的内容を整理した講演も実施した。(6)東アジア圏のエナクティヴィズム研究者を集めた国際ワークショップを開催した。講演者はRussell Meyer博士(中国科学院)、Rafik Hadfi准教授(京都大学)、廣田隆造氏(東京大学)の3名であった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
1年目を終えた時点で、国際誌に論文が1件掲載され、他にも3件の論考を国際ジャーナルや英文書籍に掲載する見通しが立っている。エナクティヴィズムの基本的な論点の整理も大きく進展し、和文の論考の掲載予定も立っている。2年目に向けて、想定以上に良い準備を進められたと手応えを感じている。
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今後の研究の推進方策 |
(1)1年目から継続して、共感と尊敬に関する研究を行う。令和6年度の前半には研究成果をまとめられる見通しを立てている。(2)エナクティヴィズムの観点から物語的自己について考察する研究を推進する。年度末までに研究成果をまとめる予定である。(3)主体性の認識に関するエナクティヴィズムの立場を分析する研究を推進する。10月頃までに研究成果をまとめる予定である。(4)エナクティヴィズムの入門書の執筆計画を立てて出版社に企画書を提出する。エナクティヴィズム研究の裾野を広げる活動を加速させたい。
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