研究課題/領域番号 |
23K00004
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分01010:哲学および倫理学関連
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研究機関 | 茨城大学 |
研究代表者 |
佐藤 邦政 茨城大学, 教育学部, 講師 (50781100)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2027-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
2026年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2025年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2024年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2023年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
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キーワード | 証言的不正義 / 変容的経験 / 信念的変容 / 変容的不正義 / 裏切り / アイデンティティ / 変容的な自己 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、認識的なアイデンティティ形成を阻害する認識的不正義を明確にしたうえで、この不正義に抵抗するための個人の責任とそれを下支えする社会制度を明らかにすることである。具体的には、第一に、濃い人間関係における偏見のせいで、被害者が自分を認識主体として首肯できない人物へと構築される変容的不正義を明らかにする。第二に、正義中心の従来の是正論に代えて、人々が多様な価値をもつ真理や知識への認識的ニーズを認め合い、探究活動を通してよく生きる認識主体へ変容していく責任と、探究を奨励しうる制度を明らかにする。
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研究実績の概要 |
今年度の実績は以下の通りである。(1)ミランダ・フリッカーの認識的不正義を解説する章や論文出版(佐藤邦政 (2023). 「第3章 認識的不正義」(pp. 30-39)、立花幸司(編著)『徳の教育と哲学』. 東洋館出版.) (2)認識的不運を定式化し、証言的不正義に対する責任の種類を明確にし、新たな責任概念を提案するオリジナルの研究論文(「証言的不正義、認識的不運、変容的責任:不協和の徳としての認識的責任」, 『社会と倫理』38号, 南山大学社会倫理研究所、2023年.および、Sato, Kunimasa & Kotzee Ben (2023). “Testimonial Justice and the Voluntarism Problem: The Virtue of Just Acceptance,” Journal of Philosophy of Education. 57: 803-825.) (3)証言的正義の徳に対する二つの批判を明らかにしたうえで、新たな変容的な徳を提案するオリジナルの研究論文(佐藤邦政 (2023). 「証言的正義の徳から変容的な徳へ」『科学哲学』56(1), 35-55頁.および、Sato, Kunimasa (2023). “A Non-Ideal Aim of Redressing Epistemic Injustices in Corruptive Educational Environments: Toward Restorative Epistemic Justice.” Theory and Research in Education. 21(3): 320-336.)
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
認識的不正義と変容の関係にかかわる査読付き論文を国内、国外雑誌で複数掲載したこと。
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今後の研究の推進方策 |
Rowman & Littlefield (Collective Studies in Knowledge and Society)より出版予定のTransformative Injustice and Responsibility for Becoming Transformative Epistemic Selves原稿を仕上げ、予定通り来年度中に出版を目指す。
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