研究課題
基盤研究(C)
本研究の目的は、標的殺害の道徳的是非を、〈汚れた手〉問題の再検討を通じて問うことである。具体的には、標的殺害を要人の暗殺として理解し、その許容性を〈汚れた手〉の観点から分析・評価する。すなわち、第一に、標的殺害の特質を、要人の暗殺という側面から分析することで、通常の戦闘行為とは異なる倫理的特徴を解明し、第二に、非対称戦争における交戦者の道徳的地位を区別したうえで、非対称戦争において能力的に優位にある側が標的殺害を行うことは〈汚れた手〉の一環として許容されうるかを論証する。