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技術哲学を結節点とした科学技術イノベーションと人間・社会の関係に関する総合的研究

研究課題

研究課題/領域番号 23K00017
研究種目

基盤研究(C)

配分区分基金
応募区分一般
審査区分 小区分01010:哲学および倫理学関連
研究機関法政大学

研究代表者

金光 秀和  法政大学, 人間環境学部, 教授 (50398989)

研究分担者 直江 清隆  東北大学, 文学研究科, 教授 (30312169)
上杉 繁  早稲田大学, 理工学術院, 教授 (80350461)
北野 孝志  豊田工業高等専門学校, 一般学科, 教授 (20390461)
紀平 知樹  兵庫県立大学, 看護学部, 教授 (70346154)
鈴木 俊洋  崇城大学, 総合教育センター, 教授 (80645242)
高浦 康有  東北大学, 経済学研究科, 准教授 (00340216)
寺本 剛  中央大学, 理工学部, 教授 (00707309)
研究期間 (年度) 2023-04-01 – 2026-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
4,810千円 (直接経費: 3,700千円、間接経費: 1,110千円)
2025年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2024年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2023年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
キーワード技術哲学 / 技術倫理 / イノベーション / 学際的研究
研究開始時の研究の概要

本研究は、(1)イノベーションをもたらす科学技術が人間・社会にもたらす変容の意味を考察するための新しい視点を学際的に提示すること、(2)その視点をもとに、人工知能、量子技術、医用生体工学、地球工学などの新技術のあるべき姿について研究して社会的提言を行うこと、(3)これらを通じて、イノベーションをもたらす科学技術が人間・社会にもたらす意味を考察するための教材を開発することを目的とする。

研究実績の概要

2023年度は、第一に、ホノルルで開催された4S(Society for Social Studies of Science)の研究大会で研究発表を行い、研究成果の一部を発表するとともに今後の研究にとって重要な知見を得ることができた。イノベーションをもたらす新技術が人間・社会に与える変容の意味を学際的に考察する過程で、持続可能性教育をいかに確立するかという課題が明らかになった。本研究発表では、国境を超えた持続可能性教育について、実践を交えながら検討をして、学習者の能動的な学びを促進するための工夫など、今後具体的に教育プログラムの内容を考察する上で有益な知見を得ることができた。
第二に、社会的提言に向けた予備的考察として、2回研究会を実施した。一つは、金光が2023年に出版した『技術の倫理への問い:実践から理論的基盤へ』をめぐって、技術哲学研究会(RESEARCHERS NETWORK FOR THE PHILOSOPHY OF TECHNOLOGY)と共催したものである。この研究会では、技術倫理に関連して何が問題となっているのか、どのような方向性の考察が必要とされているのかを論じて、技術倫理の最近の動向など、新技術が人間・社会にもたらす影響を考察する上で重要な知見を得ることができた。今一つは、人工知能をめぐって、ヒューマンインタフェース学会デザイン思想・哲学専門研究委員会、科研費基盤研究B(課題番号23H00557)と共催したものである。人工知能は日常生活からビジネス、医療、教育などさまざまな領域に浸透し、われわれの関係性や社会構造にも変化をもたらしているが、本研究会ではヒューマンインタフェースという観点からその使用について検討して、今後さらに議論を進める上で新しい知見を得ることができた。また、研究会第二部では、技術哲学に関する新しいネットワークを構築することもできた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

当初の予定通り、国際学会の場で研究発表を実施し、今後の研究の方向性を確認することができたため。また、研究会を2回実施して、社会的提言に向けた予備的考察を進めることができたため。
ただし、当初は、「人工知能(AI)技術」、「医用生体工学」、「量子技術」、「地球工学」などを取り上げて、それらの技術が及ぼしうる具体的な影響について考察をした上で社会的提言を行う予定であったが、個々の技術について社会的提言を行うよりも、より包括的な形で社会的提言を行うこと、および提言を教育プログラムとして行うことの有効性が検討され、今後はそうした方向で考察を進める予定である。

今後の研究の推進方策

2024年度は、社会的提言のとりまとめと次年度の予備的考察を行う。
第一に、社会的提言のとりまとめを行う。理論的考察で得られた学際的視点と予備的考察で得られた知見をもとに、人間・社会に変容を及ぼしうる新技術のあるべき姿について社会的提言の素案を作成する。ただし、「現在までの進捗状況」で述べたとおり、社会的提言は教育プログラム、特に持続可能性教育に関するプログラムを提示することを目指して検討を進める予定である。
第二に、そうした教育プログラムの内容について国内外で検討する。なお、そのプログラムを開発する際に、日本独自の視点についても考察する。また、具体的な教材開発に関しては、学会参加時などに可能であればインタビュー調査等も実施する。
第三に、科学技術イノベーションに関連した教育の調査を実施する。新しい教材を開発するために、国内外の大学で実施されている教育の現状を調査する。

報告書

(1件)
  • 2023 実施状況報告書
  • 研究成果

    (21件)

すべて 2024 2023

すべて 雑誌論文 (6件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 5件) 学会発表 (14件) (うち国際学会 3件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] 共同責任と技術評価の哲学2024

    • 著者名/発表者名
      北野 孝志
    • 雑誌名

      豊田工業高等専門学校研究紀要

      巻: 56 号: 0 ページ: n/a

    • DOI

      10.20692/toyotakosenkiyo.56-6

    • ISSN
      0286-2603, 2424-2276
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • オープンアクセス
  • [雑誌論文] 科学論の「第三の波」とは何か2024

    • 著者名/発表者名
      鈴木俊洋
    • 雑誌名

      科学技術社会論研究

      巻: 22 ページ: 11-21

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • オープンアクセス
  • [雑誌論文] 書評『科学コミュニケーション論の展開』2024

    • 著者名/発表者名
      鈴木俊洋
    • 雑誌名

      科学技術社会論研究

      巻: 22 ページ: 110-113

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • オープンアクセス
  • [雑誌論文] 農薬の技術についての技術哲学的考察2023

    • 著者名/発表者名
      藤原 厚作、鈴木 俊洋
    • 雑誌名

      科学・技術研究

      巻: 12 号: 1 ページ: 39-46

    • DOI

      10.11425/sst.12.39

    • ISSN
      2186-4942, 2187-1590
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] 環境正義の問題としての高レベル放射性廃棄物:『環境正義』を訳しながら考えたこと2023

    • 著者名/発表者名
      寺本剛
    • 雑誌名

      環境倫理

      巻: 5 ページ: 35-57

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [雑誌論文] NPOを取り巻く経営環境⑪「ブリコラージュ:器用仕事とNPO」2023

    • 著者名/発表者名
      高浦康有
    • 雑誌名

      季刊ゆるる

      巻: 13 ページ: 4-4

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • オープンアクセス
  • [学会発表] The Potential of Transnational Sustainability Education: Reflections from Practices2023

    • 著者名/発表者名
      Hidekazu Kanemitsu, Miki Namba
    • 学会等名
      Society for Social Studies of Science Annual Meeting 2023
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 国際学会
  • [学会発表] How did Japanese artisans accept modern technology?2023

    • 著者名/発表者名
      Toshihiro Suzuki
    • 学会等名
      23rd International Conference, the Society for Philosophy and Technology
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 国際学会
  • [学会発表] Bottom up ethics in Agricultural technology2023

    • 著者名/発表者名
      Toshihiro Suzuki, Kosaku Fujiwara
    • 学会等名
      23rd International Conference, the Society for Philosophy and Technology
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 国際学会
  • [学会発表] 共生のための技術者倫理に向けて2023

    • 著者名/発表者名
      金光秀和
    • 学会等名
      日本機械学会 技術と社会部門講演会「技術と社会の関連を巡って:過去から未来を訪ねる」
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] 教養教育としての技術哲学・技術倫理の必要性2023

    • 著者名/発表者名
      金光秀和
    • 学会等名
      科学基礎論学会2023年度秋の研究例会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] 技術哲学の問題圏2023

    • 著者名/発表者名
      金光秀和
    • 学会等名
      ワークショップ「ヒューマンインタフェースと人工知能の未来を考える─ヒューマンインタフェースと人工知能の技術哲学的探求─」
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] HIの問題圏2023

    • 著者名/発表者名
      上杉繁
    • 学会等名
      ワークショップ「ヒューマンインタフェースと人工知能の未来を考える─ヒューマンインタフェースと人工知能の技術哲学的探求─」
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] AIの倫理学・哲学の問題圏2023

    • 著者名/発表者名
      直江清隆
    • 学会等名
      ワークショップ「ヒューマンインタフェースと人工知能の未来を考える─ヒューマンインタフェースと人工知能の技術哲学的探求─」
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] 道具の原型にもとづく人工知能との関係の分析― 技術使用における相反性への対応方法2023

    • 著者名/発表者名
      上杉繁
    • 学会等名
      ヒューマンインタフェースシンポジウム2023,ワークショップ:「道具」としての人工知能との関係を考える
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] ケアロボットにおける「ぬくもり」の意義について―VSDとナッジに関連づけて2023

    • 著者名/発表者名
      北野孝志
    • 学会等名
      応用哲学会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] グローバルTAとRRI―技術評価の哲学の課題2023

    • 著者名/発表者名
      北野孝志
    • 学会等名
      名古屋技術哲学研究会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] 観光の真正性としてのリアリティ:技術としての観光から芸術としての観光2023

    • 著者名/発表者名
      紀平知樹
    • 学会等名
      リアリティの哲学、時間・偶然研究会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] 主題別討議「環境倫理の展開:環境問題の技術的解決についての検討」2023

    • 著者名/発表者名
      寺本剛(実施責任者)、熊坂 元大(報告者)、佐藤靜(報告者)、吉永明弘(報告者)、金光秀和(特定質問者)
    • 学会等名
      日本倫理学会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] 中小企業の生き残り戦略:ブリコラージュの観点から2023

    • 著者名/発表者名
      高浦康有
    • 学会等名
      法政大学人間環境学部 2023年度「人間環境セミナー/中小企業の持続可能性」
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [図書] 我々みんなが科学の専門家なのか?〈新装版〉2024

    • 著者名/発表者名
      ハリー・コリンズ、鈴木 俊洋
    • 総ページ数
      230
    • 出版者
      法政大学出版局
    • ISBN
      4588140833
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書

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公開日: 2023-04-13   更新日: 2024-12-25  

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