研究課題
基盤研究(C)
本研究は、ドイツ古典哲学の実践哲学における承認論の伝統を引き受け、それを現代において展開することである。19世紀のフィヒテ、ヘーゲルに始まる承認論は、1970年代におけるジープやハーバーマスによる再発見・再評価、その後のホネット等の批判理論、またテイラーやリクール等の独自の展開による批判的継承を経て、現代英米哲学のネオ・へーゲリアニズムの中で三度目の脚光を浴びるに至っている。しかしこれまでの議論は、承認論を現代の社会哲学の中心に置き直しすにはまだ不十分である。本研究はここに分析哲学的社会存在論の視点を付け加えることで承認論の新たな可能性を展望し、そこから新しい社会哲学を構想することである。