研究課題/領域番号 |
23K00068
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分01030:宗教学関連
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
長谷 千代子 九州大学, 比較社会文化研究院, 准教授 (20450207)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2028-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2027年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2026年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2025年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2024年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2023年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
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キーワード | 菜食主義 / 仏教 / 中国 / 日本 / 台湾 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究の目的は、価値観が多様化し、自分なりの「正しい生き方」を個々人が決めねばならない現代世界の状況で、衣食住という日々決断を迫られる実践的な場において、人々がどのように、どのような生き方を選択しているかを明らかにすることである。 具体的には、現代アジアの菜食実践者の生き方に着目する。多くの場合、実践の基盤となるのは仏教や一貫道などの宗教だが、近年は動物愛護・環境主義・スピリチュアリズムなどの思想も彼らの行動に強く影響し始めている。彼らが現代社会における宗教観や生命観、倫理観の変化をどのように経験・解釈し、それに合わせてどのように新たなライフスタイルを編み出しつつあるかを明らかにする。
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研究実績の概要 |
2023年度は、課題内容が共通する萌芽研究の予算でより多くの調査研究を行い、本科研では主に以下の二つの現地調査を実施した。1.菜食実践を伴うシンガポールの祭りである九皇廟会およびシンガポールの菜食レストランについての調査(10/17-10/23)、2.ヴィーガン的な思想に基づき、菜食を実践するとともに、自然農法や味噌・醤油の自作などにも取り組む浄土真宗の僧侶夫婦に対するインタビュー調査と生活の参与観察(2024年3/1-8)。 この他、主にヨガやマインドフルネスを推進する人々、自然食品販売店で働く人々、菜食レストラン経営者などのインタビューを20人分以上集め、一部は継続して聞き取り調査中である。 台湾を拠点に菜食実践の普及活動をしている佛光山寺と一貫道については、日本と台湾双方で調査に協力していただき、信徒の普段の活動の参与観察や、経験談の聞き取りを継続している。 文献調査は、今まで中国について重点的に行ってきたが、日本と台湾についての文献調査も開始した。1910年代の国際的な菜食主義ブームの背景や影響関係と、最近40年の菜食関連言説の変化を中心に調べを進めている。テキストマイニングのソフトであるKHコーダーを導入し、言説の質的調査を量的なエヴィデンスで補強する手法を学び、取り入れている。 成果発表としては、英語論文(Vegetarianism and Buddhist Culture: on religious discourse in contemporary China、仮題)にまとめ、川口幸大(東北大学)、王向華(、香港大学、天理大学)らとともに論文集として発表する計画を進めている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
コロナ禍がほぼ終息し、比較的自由に現地調査ができるようになった。また、本課題の前身である萌芽研究の時代は、どのような資料を集めてどう調査するか、手探りの部分が多かったが、集めるべき資料やライフヒストリーを聞くべき人々などが明確化してきたこと、また言説分析とインタビュー、参与観察という3つの手法を組み合わせるというやり方の実現可能性が見えてきたことで、次に書くべきいくつかの論文の方向性が明確化してきた。また、大学院生を2人、RAとして採用できたことも、作業の効率化につながった。中国での現地調査が難しくなったことは残念だが、日本を主たる調査地とし、そこで活動している台湾新仏教やヴィーガンの活動をたどることによって東アジアや欧米を視野の隅に置く、というパースペクティヴが明確化して、調査方針が立てやすくなった。
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今後の研究の推進方策 |
第三者による菜食論に関する言説、菜食レストランについてのネット上の情報、菜食レストランや民宿経営者自身のライフヒストリーという、3種類の資料を組み合わせることによって、人々の菜食に対するさまざまな考え方を明らかにするという調査の具体的な方針が固まったので、それぞれの資料を充実させながら考察を深めていく予定である。中国の状況については2本目の論文を書くのに十分な資料がすでに集まっているので、二つの学会(「宗教と社会」学会、EAAA:東アジア人類学会)での発表を経て、2024年度中に国際雑誌への掲載を目指す。 ただ、これまでは中国についての研究を中心に考えていたが、政治状況の変化により、中国での調査が困難になったため、中心となる調査地を日本に移し、同様の手法で成果を上げて行きたいと考えている。また、菜食主義を研究しようとしている研究者や大学院生数人と知り合うことができたので、共同研究を行うための準備を始めたいと考えている。
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