研究課題/領域番号 |
23K00073
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分01030:宗教学関連
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研究機関 | 上智大学 |
研究代表者 |
葛西 賢太 上智大学, 実践宗教学研究科, 教授 (00281014)
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研究分担者 |
繁田 真爾 東北大学, 国際文化研究科, GSICSフェロー (00862004)
谷山 洋三 東北大学, 文学研究科, 教授 (10368376)
山本 佳世子 天理大学, 人文学部, 准教授 (10625445)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2027-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2026年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2025年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2024年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2023年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
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キーワード | スピリチュアルケア / 臨床牧会教育 / 傾聴者 / 臨床宗教教育 / チャプレン / 資格認定 / 養成教育 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、米国臨床牧会教育協会の『手引き集』邦訳(オンライン公開済)の共同討議を行う。邦訳は国内の実践者も討議に招くためである。傾聴者に期待される能力を記す理念面と、傾聴実践者が語る実践面とを照合し、対象者の個別性にどう対処するかを明らかにする。また『手引き集』の検討により顕在化した課題によって、米国・英国での現地調査・参与観察、米国・英国の実践者・研究者(とくにキリスト教以外のチャプレンが認識している課題)への調査が行われ、報告書・論文と学会発表として広く共有される。実践者・研究者の検討を受けることで、臨床「宗教」教育の指導要領案の作成と、その成果の臨床牧会教育への国内外への還元を目指す。
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研究実績の概要 |
6月に研究代表者と研究分担者がオンラインで打ち合わせを持ち、共同研究を開始した。本研究の一つの柱は、臨床牧会教育における傾聴者像の国際比較である。米国のチャプレン一般、米国のムスリムチャプレンについて、オランダのムスリムチャプレンと比較するかたちで進められた。研究代表者はオランダに渡航し、現地のムスリムチャプレン協会および病院・防衛省・刑務所にて活動するチャプレンに聞き取りを行い、またルーベンカトリック大学(ベルギー)のチャプレン養成教育担当教員と具体的に意見交換することができた。米国の臨床牧会教育協会によるチャプレン制度と比較して、オランダの制度の特徴を知り、逆に米国の制度を浮き彫りにすることができた。 米国臨床牧会教育協会の規定についての検討は、『現代死生学』2号に掲載され、3月に刊行された。オランダ訪問の詳細は「チャプレン研究会」にて報告し、『宗教と社会貢献』に寄稿され、刊行待ち。米国のムスリムチャプレンの現在についての研究が、『東京大学宗教学年報』に投稿され、刊行待ちである。 各自の研究成果は、本年度9月の日本宗教学会、11月のスピリチュアルケア学会等で発表された。本年度末(3/27-29)に、研究代表者および分担者四名中、葛西、谷山、繁田の三名が、米国バークレイで行われた「仏教チャプレンの基礎:日米の対話(Foundations of Buddhist Chaplaincy)」会議に参加し、現時点での研究成果等を報告した。会議で重要な研究者や実践家と面識を得たので、招聘して研究集会を開催する交渉をはじめている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
海外からの実践者や研究者の招聘にそなえて、本年度は文献による調査などを予定していた。文献調査は進捗状況6割程度で、やや遅れている。いっぽう、オランダ訪問と米国訪問によって、多くの実践者や研究者と直接意見交換することができ、予定以上に招聘や今後の研究協力の具体的な打診をすることができた。
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今後の研究の推進方策 |
初年度に複数の実践者・研究者との関係を構築できたので、今後は、意見交換や共同研究を進めることを意図している。 国際的な感染症対策は終了したが、本研究課題の研究代表者、研究分担者の多くが病院での傾聴などに関与しており、現時点でいまだ感染症予防への配慮などが足かせとなっている。また、海外での戦乱や感染症蔓延も含めた航空運賃の高騰により、国際交流の日程にじゃっかんの制約が増したと思われる。オンラインミーティングを活用した研究会の開催などで、充実を図りたい。
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