研究課題/領域番号 |
23K00094
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分01040:思想史関連
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研究機関 | 大阪公立大学 |
研究代表者 |
山本 由美子 大阪公立大学, 大学院現代システム科学研究科, 准教授 (20716435)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2028-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2027年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2026年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2025年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2024年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2023年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | 規範の脱構築 / 出産の社会統制 / 〈子産みの統治性〉 / 〈産む自由〉 / 〈育てを託すこと〉 / 産む自由 / 育てを託すこと / フェミニズム思想 / 生への応答 |
研究開始時の研究の概要 |
〈産む自由〉と〈育てを託すこと〉に接続可能性があるとはどういうことか。本研究はこの問いに、生殖の身体と他者をめぐる近現代のフェミニズム思想から探究する。また、規範的家族とは別様なあり方で生存可能な生と、そうした生への応答可能性という観点から哲学的に切り込む。 本研究の目的は、女性の主体的な産み落としの生/産み落としによる生についてあらたな理論構築をめざすことである。また、諸規範の内側での救済・包摂の論理を超えた、産みを貫く生の意味を思想哲学的観点から明らかにすることである。とりわけ、母子関係の二項対立を解体すべく、既存の諸規範それ自体の脱構築を試みる。
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研究実績の概要 |
本研究は、〈産む自由〉と〈育てを託すこと〉に接続可能性があるとはどういうことかについて、生殖の身体と他者をめぐる近現代のフェミニズム思想から探究するものである。また、規範的家族とは別様なあり方で生存可能な生と、そうした生への応答可能性という観点から哲学的に切り込むものである。今年度は、家族規範の脱構築をめぐる国内外の文献調査に注力した。欧米を中心とした近代家族批判や〈産むこと〉をめぐるフェミニズム思想の最近の動向は、比較的ラディカルなものと、依然としてコンサバティブなものとが双極をなしていることがあらためて浮き彫りになった。初年度研究においては、規範脱構築の観点から前者に重点を置き、〈母性〉の称揚も否定もすることなしに〈産む自由〉を遂行する可能性として、〈家族解体〉を論じる思想家に注目した。法や制度を超えた〈産む自由〉のありようを思想・哲学的に分析するにあたり、〈産むこと〉と家族、〈家族解体〉と〈育てを託すこと〉の切り結びを理論的に整理している最中である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
申請者の所属先業務および健康状態の都合による。また、本研究の視点は社会福祉や保健医療関連で取り上げられる(あくまでも例外的事例の救済の観点に留まる)ことはあるが、フェミニズム思想関連では比較的新しく、先行研究の精査含めた分析が多岐にわたることによる。
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今後の研究の推進方策 |
法や制度を超えた〈産む自由〉のありようを思想・哲学的に分析するにあたり、〈家族解体〉と〈育てを託すこと〉の切り結びを多角的かつ理論的に整理していく。また、本研究を進展させるためのあらたな課題として、フェミニズム思想と〈産む自由〉および先端バイオテクノロジーの関係性のほか、生殖テクノロジーの批判言説をめぐる歴史的変遷の分析から、出産の社会統制とフェミニズムの関係性を浮き彫りにしていく。文献調査のほか現地調査を進める予定である。
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