研究課題/領域番号 |
23K00102
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分01040:思想史関連
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研究機関 | 京都先端科学大学 |
研究代表者 |
佐藤 文子 京都先端科学大学, 人文学部, 教授 (80411122)
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研究分担者 |
駒井 匠 佛教大学, 歴史学部, 講師 (30794945)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2027-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
2026年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2025年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2024年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2023年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
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キーワード | 先祖祭祀 / 横死者 / 神仏習合 / 儀礼 / 氏神 / 天皇霊 / 世襲文化 / 定住 / 仏教儀礼 / 天皇 / 皇統意識 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、日本の祖先信仰が、太古の昔からつづく日本固有の信仰であるとしてきた通説に対して、実際には仏教や神信仰・攘災・豊年祈願などのいくつもの要素が絡み合いながら徐々に形成されたことを明らかにするものである。死者を「ホトケ」と呼び、仏壇に祖先の位牌を収めて手を合わせる日本的祖先信仰のかたちは、古代の人々が外来文化である仏教を自分たちに合うようにアレンジし、反復しつづけたことが影響して引き起こされたという事情がある。この解明には、従来の仏教史や神道史の領域にとどまらない検討が必要であるため、複数分野の専門家で協議しながら歴史資料や儀礼を調査して基本情報を充実させ、議論を重ねて解明を図る。
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研究実績の概要 |
2023年度は、研究の方針を確認しつつ、研究集会を開催するなど、学術的意見の交換を積極的に行い、これまで視野の外側にあった現地現物の情報を博捜する活動を行った。研究班の分担体制にもとづき、史資料収集を進めるいっぽうで、神仏習合関連遺跡の現地調査を実施した。 7月には梶原義実名古屋大学教授の全面協力を得て、南伊勢地域の伊勢神宮寺候補地の現地調査を実施した。ここで現地協力者らを含め学問的な情報交換ができたことは、今後研究計画を効率的に遂行し成果を上げていくために重要な成果となった。とくにこの現地調査では県の埋文センターと斎宮歴史館から情報提供と調査協力をうけることができた。 また、韓国国立芸術大学講師の池美玲氏から、ソウル郊外津寛寺で例年実施される横死者仏事についての情報提供をうけ、日本の横死者祭祀に深く関連することから、9月に現地の予備調査を実施した。横死者救済のための仏事が実施される仏堂は、その儀礼の間、堂の外柱の根元に切木綿に酷似した紙の依り代が貼り付けられ、施食されていた。儀礼が終了すると、紙の依り代を水に浮かべて送霊していた。津寛寺の横死者仏事は、集まった人々(多くが女性)の厄除けのまつりとなっており、身内に横死者があった家族だけではなく、多くの人が訪れる縁日となっており、日本の死者接遇儀礼の展開を解明するために重要な参考材料となると考える。 来年度に予定している神仏習合関連儀礼調査のために、壱岐および対馬地域の現地郷土史家から情報提供を受けた。調査先と連絡がつき次第、調査交渉のために現地に赴く予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
当該の研究課題の採択が決まり、研究計画が始動したことをうけて、関係各方面に協力や理解を求めたところ、情報提供や調査協力を具体的に得ることができたため、当初計画以上に、進捗している。
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今後の研究の推進方策 |
神仏習合関連儀礼の調査に先立ち、現地に赴いて交渉するとともに事前調査を実施し、関係者とコミュニケーションを取りながら、効率的で成果の多い調査が実施できるような体制を構築していく。また随時共同研究者らと計画の効率化を協議し、計画の見直しを図っていく。
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