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対抗宗教改革とファシズムー20世紀前半におけるイタリア観念論者たちの哲学史観

研究課題

研究課題/領域番号 23K00103
研究種目

基盤研究(C)

配分区分基金
応募区分一般
審査区分 小区分01040:思想史関連
研究機関京都産業大学

研究代表者

倉科 岳志  京都産業大学, 文化学部, 教授 (10552333)

研究期間 (年度) 2023-04-01 – 2026-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
2025年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2024年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2023年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
キーワードジョヴァンニ・ジェンティーレ / グイド・デ・ルッジェーロ / ファシズム / 自由主義 / 観念論
研究開始時の研究の概要

ファシズムのイデオローグジェンティーレと、自由主義者デ・ルッジェーロの哲学史観に焦点をあて、「両者の間には政治的立場の違いでは破ることのできない、哲学史に関する学問上の見解がある程度共有されていた」との仮説のもと、とりわけ対抗宗教改革の位置づけを検討し、両者の思想の再評価をめざす。主としてそれぞれの著書の比較・分析作業により、ジェンティーレの「行為論的観念論」と、デ・ルッジェーロの「自由論」の従来の位置づけを修正する。

研究実績の概要

ジェンティーレの『哲学』(1904年-15年)の読解を行い、彼の哲学観を確認した。その後『ブルーノとルネサンス思想』の読解を進め、文明史的な観点から見た対抗宗教改革時代に与えられた比較的低位の位置づけを確認した。また、いずれの著作についてもその成立経緯を確認した。
さらに、『ブルーノとルネサンス思想』の各版の比較も行い、これによりジェンティーレは新たに書いた論文の挿入を行しつつ、章立てを変化させていることを発見した。とりわけ、カンパネッラ論は1925年に出版され、ジェンティーレの政治信条であるファシズム倫理国家論との深い関係を見て取ることができる。また、それにもかかわらず、ジェンティーレは政治的対立者であるベネデット・クローチェの作品も引用しており、そこから方法論を吸収し学問に昇華させていることが分かった。ここから、ジェンティーレはクローチェとの政治的対立しながらも、学問においては協力関係を捨てず、文明史的観点での合意も維持し続けたと考えることができる。
資料収集の面では、次年度に読解予定のデ・ルッジェーロの『イタリア哲学史』、『哲学史概説』各般のうちの一部、『ルネサンス、宗教改革、対抗宗教改革』の各版の一部をそろえることができた。ローマのジェンティーレ財団古文書館、フィレンツェ・スパドリーニ・ヌオーヴァ・アントロジーア財団古文書館への訪問も前倒しして行うことができ、所蔵史料の全体的な量の把握を行い、司書とも友好的な関係を構築することができた。
本研究の関心と重なる論考「ヴォルペとクローチェ―1920~30年代におけるイタリアとファシズムに関する歴史記述」を出版することができ、研究の視座を広げることができた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

計画通りに読解を進めることができている。
資料収集も、次年度の読解資料を比較的順調に集めることができている。

今後の研究の推進方策

執筆計画としては、まず、ジェンティーレの哲学史観を、同時代の政治状況とかれの思想の変遷との関係でより詳細に検討し、文字に起こし始める。
読解計画としては、デ・ルッジェーロの『イタリア哲学史』、『哲学史概説』、『ルネサンス、宗教改革、対抗宗教改革』の分析を進める。
資料収集としては、引き続き『哲学史概説』、『ルネサンス、宗教改革、対抗宗教改革』でいまだにそろえ切れていない版の入手に努める。

報告書

(1件)
  • 2023 実施状況報告書
  • 研究成果

    (1件)

すべて 2023

すべて 雑誌論文 (1件)

  • [雑誌論文] 「ヴォルペとクローチェ―1920~30年代におけるイタリアとファシズムに関する歴史記述」2023

    • 著者名/発表者名
      倉科岳志
    • 雑誌名

      『日伊文化研究』

      巻: 61 ページ: 42-51

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書

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公開日: 2023-04-13   更新日: 2024-12-25  

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