研究課題/領域番号 |
23K00112
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分01050:美学および芸術論関連
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研究機関 | 岩手大学 |
研究代表者 |
金沢 文緒 岩手大学, 教育学部, 教授 (80606997)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2027-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
2026年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2025年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2024年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2023年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
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キーワード | 舞台美術 / アルカディア / 芸術批評 |
研究開始時の研究の概要 |
近世イタリアにおいて、オペラ文化の隆盛と共に、娯楽的スペクタクルとして舞台美術の需要が高まった。しかしその一方、伝統的な演劇理論によるヒエラルキーでは舞台美術は下位に位置づけられ、この時期、舞台美術は視覚効果のみを追求した結果、ジャンルの特殊化が進み、演劇界と美術界双方の周縁領域として、芸術的ジレンマに陥っていたと考えられる。18世紀後半、スペクタクルとしての舞台美術の流行の終焉を迎えるが、その一連の流れを、当時の舞台美術をめぐるこうした社会的状況からの脱却に向けて、舞台美術が作品内容との有機的連動性を実現していく新たな自律的プロセスと位置づけ、この観点からその背景を解明する。
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研究実績の概要 |
近世イタリアでは、オペラ文化の隆盛と共に娯楽的スペクタクルとしての舞台美術の需要が高まった。しかしその一方、視覚効果に特化した舞台美術は、特殊ジャンルとして演劇のヒエラルキーの下位に位置づけられていた。本研究は、18世紀後半に顕在化するこうした舞台美術の流行の終焉に着目し、その背景を、演劇界と美術界の狭間にあった舞台美術が芸術的ジレンマを脱却し、作品内容との連動性を獲得していく自律的プロセスという新たな文脈において解明することを目的とするものである。 初年度となる本年度は、本研究の仮説の妥当性の検証とその理論的枠組みの整備を行うことに比重を置いた。具体的には、当時、舞台美術が特殊ジャンルとしてオペラ全体の文脈から乖離していたことを論証する作業が中心となった。当時、舞台美術をどのような位置づけとするかについては、美術界と演劇界における見解の相違が存在したという仮説が立てられる。その仮説のもと、従来のオペラ研究が対象としてきた演劇界に限定せず、美術界に広げて言説の渉猟を試みた。アルガロッティ、ザネッティ他、18世紀の理論形成を牽引した美術関係者を中心に、舞台美術に関する言説を新たに抽出し、美術側の視点から舞台美術がどのように位置づけられていたか、特に否定的論調に注目しながら考察し、演劇関係者の言説と統合し、全体像を把握することに努めた。 さらに、次年度以降に実施予定であるローマのアルカディア・アカデミーをめぐる事例研究の前提として、文芸団体としてのアルカディア・アカデミーにおける視覚芸術の位置づけの把握のため、アカデミーに所属する、あるいは会員と密接な関係を保っていた風景画家・景観画家の活動実態の考察も行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
海外調査が実施できなかったこともあり、資料渉猟が国内にとどまったため、網羅的な分析ができなかったことが挙げられる。 その課題については次年度に実施したい。
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今後の研究の推進方策 |
次年度以降に実施予定であるローマのアルカディア・アカデミーをめぐる事例研究を予定しているが、文芸団体であるアルカディア・アカデミーにおける視覚芸術の位置づけの把握がその前提として重要であるという認識を得た。来年度以降はその視点を考慮に入れながら計画を修正することとした。
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