研究課題/領域番号 |
23K00123
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分01050:美学および芸術論関連
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研究機関 | 国際基督教大学 |
研究代表者 |
GILLAN Matthew 国際基督教大学, 教養学部, 教授 (50468550)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
3,380千円 (直接経費: 2,600千円、間接経費: 780千円)
2025年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2024年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 尺八 / 仏教 / 明暗流 / 宗教音楽 / 現代仏教 / 仏教音楽 / 樋口對山 / 雅楽 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究のもっとも大きな目的は、樋口の活動を通じて、明治時代の仏教の諸宗派における音楽文化の実態を明らかにすることである。本研究では、樋口の稽古名簿に掲載されている弟子が所属していた仏教寺院を明らかにし、また、それぞれの寺院で樋口が行った音楽活動を調べることを目的とする。さらに、明治時代の仏教・宗教メディア(『浄土教報』、『明教新誌』、『禅宗』、『中外日報』など)に掲載されている音楽資料の調査を行い、明治時代の仏教音楽の状況を明らかにする。
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研究実績の概要 |
1)明治時代や大正初期の新聞・雑誌に見る樋口對山の活動。『京都日出新聞』、『禅宗』、『中外日報』などに樋口對山の活動を記録する記事を調べ、樋口と交流があった人物、弟子のネットワーク、明治大正の臨済宗の僧侶との交流などの新しい情報を得た。特に、臨済宗の僧侶の竹田黙雷との交流について、『中外日報』の多数の記事より新しい情報を得た。 また、これまでの研究で取り上げて来なかった樋口とのインタビューを発見したことによって、子供時代の音楽活動、京都への移動の正確な年月、彼の音楽思想などが明らかになった。これらの調査は研究誌の『一音成仏』で論文として掲載した。 2)樋口が25年間使用していた弟子の『名簿』の解読に取り掛かり、彼が中心となっていた全国の音楽ネットワークが明らかになった。特に、弟子が所属する仏教諸宗派の多様性について確認できた。 3)現代の明暗流對山派の演奏者、伝承者との調査を行い、同流派内の多様性や系統について情報を得た。 4)明治時代以降に結成された尺八団体の調査を行い、20世紀日本社会における尺八と仏教の関連性についての情報を得た。その中で、富山県高岡市を拠点に活動している妙音会(明治時代には妙音教会)の活動の参与観察を数回行った。同団体について、高岡市立図書館において明治時代以降の新聞記事の調査を数回にわたって調査を行い、初期の活動についての情報を得た。本調査は2024年度にもさらに調査を行い、論文で紹介するつもりである。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
全国の尺八団体との交流が順調に進んでおり、これからの調査の土台となることを予想している。 今までの資料調査で新しい情報を多数発見したので、これからの資料調査でさらに情報を得ることと予想している。 2023年度に出版した論文に対して、大きな反響があったので、現代の尺八コミュニティーにとっては意義のある研究だと確認できた。
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今後の研究の推進方策 |
2024度は2023年度に引き続き、明治・大正の新聞・雑誌の資料調査を続けて行くつもりである。 また、樋口對山が明治中期より指導者として活躍していた明暗教会について調査を行う。 2023年度の調査では、樋口の未発表の音源の存在についての情報を得たので、その吹き込みの背景、音源のデジタル修正を行う。 今までの研究は、2025年4月にアメリカで開催される「World shakuhachi festival」でのシンポジウムにおいて発表する予定である。
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