研究課題/領域番号 |
23K00129
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分01050:美学および芸術論関連
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研究機関 | 関西大学 |
研究代表者 |
堀 潤之 関西大学, 文学部, 教授 (80388412)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2028-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2027年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2026年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2025年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2024年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2023年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
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キーワード | 映画理論 / ゴダール / マノヴィッチ |
研究開始時の研究の概要 |
本研究「フランス映画理論の新展開――表象、身体、情動」は、おおむねここ四半世紀にフランス語圏で展開された映画理論の動向を「表象」、「身体」、「情動」の3つのトピックから整理し、映画研究全般、特に具体的な映画作品の研究に対してそれらがどのような有効性を持っているのかを探るものである。
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研究実績の概要 |
本研究「フランス映画理論の新展開――表象、身体、情動」は、ここ四半世紀にフランス語圏で展開された映画理論の動向を「表象」「身体」「情動」の3つのトピックから整理し、映画研究全般、特に具体的な映画作品の研究に対してそれらがどのような有効性を持っているのかを探るものである。 今年度はまず、理論に関わる実績として、北米のニューメディア研究の立役者であるレフ・マノヴィッチについて概説を執筆したほか(伊藤守編『メディア論の冒険者たち』所収)、マノヴィッチの主著『ニューメディアの言語』(みすず書房から2013年に拙訳で刊行)の文庫化に伴い、「文庫版訳者あとがき」で近年の動向を補った。この作業は、フランス映画理論に直接関係はしないものの、その近年の諸動向を相対化するためにも一定の有効性を持つと言える。 また、理論を背景とした作品研究については、ジャン=リュック・ゴダールとマックス・オフュルスの『快楽』の関係をめぐる論文を執筆・刊行し、その一端を南京の国際学会でも発表したほか、ゴダールの『軽蔑』(1963)、『ゴダールの決別』(1993)、『アワーミュージック』(2004)、そしてとりわけ新作として封切られた『ジャン=リュック・ゴダール/遺言 奇妙な戦争』(2023)について短評や解説記事を執筆したほか、ホン・サンス、ジャック・ロジエの作品についても作品評を発表した。さらに、ゴダール作品におけるアンリ・アレグとマルグリット・デュラスの位置づけをめぐる英文記事も発表した。 なお、山形国際ドキュメンタリー映画祭の枠組みでイヴ=マリー・マエ『若き映画』の字幕翻訳を請け負ったが、実験的な映画を精力的に紹介したイエール映画祭の歴史をたどったこの作品は、フランス映画理論が生まれてくる土壌を理解するためにも有益だった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
理論的動向とそれを背景にした作品分析の双方について、一定の研究成果を公表できたので、本研究はおおむね順調に進展していると判断する。
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今後の研究の推進方策 |
引き続き、理論的動向と作品分析の双方に目配りしつつ、「表象」「身体」「情動」の3つのテーマにより直接的に関わる研究を進める予定である。
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