研究課題/領域番号 |
23K00139
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分01050:美学および芸術論関連
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
劉 文兵 大阪大学, 大学院人文学研究科(外国学専攻、日本学専攻), 准教授 (70609958)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2025年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2024年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2023年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | 中国映画 / 社会主義的スタジオシステム / グローバリゼーション / 謝晋監督 / 国民的映画 / メロドラマ / プロパガンダ / ナショナリズム / 中国映画史研究 / 社会主義的撮影所システム / グローバリズム |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、中国映画の黄金時代(1980年代)牽引していた謝晋監督にスポットライトをあて、中国の国営映画撮影所システムが彼の映画製作に与えた多大な影響を解明するとともに、彼が手掛けた「国民的映画」にたいする同時代の受容と、その後の評価の変容、そして国内外の評価におけるギャップについて検証する。そのうえ、とりわけ撮影所システムの弱体化にともない、個人プロダクションのもとで映画製作を続けていた謝晋の晩年を一つのケーススターディとし、中国映画産業がかつてのソ連をモデルとした撮影所システムから、ハリウッド的ともいえるグローバルな映画製作へと転換していったプロセスを辿ることを試みる。
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研究実績の概要 |
●研究対象である謝晋監督について実地調査、及び関係者へのインタビューを、2023年12月、そして2024年2月に、それぞれ上海で実施した。謝晋監督の助監督だった武珍年、石曉華氏、中国の謝晋研究の第一人者の石川教授にインタビューし、多くの一次資料を入手できた ●科研費による国際シンポジウム2回、科研費による研究会1回を実施した。1.国際シンポジウム「映画史研究:『デルス・ウザーラ』(1975)の同時代的受容――日本、ロシア、フランス、そして中国の視点から」2023年7月22日(土)、Zoomを利用したオンライン開催。晩年の黒澤明が自殺未遂を起こした直後に監督した『デルス・ウザーラ』を取りあげ、「巨匠の晩年」「社会主義的スタジオシステム」の二つの視点から考察することをつうじて、晩年の謝晋を相対的に捉えることができた。2.2023年11月25日(土)13時30分~17時00分、東京工芸大学芸術学部1号館1206教室にて、研究会「満映日本人スタッフの戦後を映像と資料から迫る」を主催。3.国際研究集会「中国映画の巨匠・謝晋監督の世界」。2024年2月22日、上海映画博物館において、研究会「中国映画の巨匠・謝晋監督の世界」を主催。中国の謝晋監督研究の第一人者で上海戯劇学院教授石川「謝晋と上海」をテーマに研究表をおこなった。 ●上記の学会や国際シンポジウムにで3回の研究発表をおこなった。すなわち、劉文兵「1970年代後半の中国における『デルス・ウザーラ』の受容」劉文兵「新資料に見るポスト満映の位相」、劉文兵「謝晋と日本」。現在、三つの口頭発表の内容を学術論文の形に纏めている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
予定以上に進めている。コロナが収束し、海外渡航が可能となったため、実地調査をはスムーズにおこなうことができたからです。
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今後の研究の推進方策 |
前年度にシンポジウムや、研究集会を主催することをつうじて、国内外の研究者から様々な教示やヒントを得たため、それに基づいて学術論文の執筆に励んでいきたい。今年度は謝晋監督と社会主義的スタジオシステムの関係性に着目し、研究を進めていきたい。
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