研究課題
基盤研究(C)
本研究は、中国映画の黄金時代(1980年代)牽引していた謝晋監督にスポットライトをあて、中国の国営映画撮影所システムが彼の映画製作に与えた多大な影響を解明するとともに、彼が手掛けた「国民的映画」にたいする同時代の受容と、その後の評価の変容、そして国内外の評価におけるギャップについて検証する。そのうえ、とりわけ撮影所システムの弱体化にともない、個人プロダクションのもとで映画製作を続けていた謝晋の晩年を一つのケーススターディとし、中国映画産業がかつてのソ連をモデルとした撮影所システムから、ハリウッド的ともいえるグローバルな映画製作へと転換していったプロセスを辿ることを試みる。