研究課題/領域番号 |
23K00140
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分01050:美学および芸術論関連
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
古後 奈緒子 大阪大学, 大学院人文学研究科(人文学専攻、芸術学専攻、日本学専攻), 准教授 (40741468)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
2025年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2024年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2023年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | 光学見世物 / ダンス・アーカイヴ / 複製技術 / バレエ / 人造人間 / 電気 / テクノロジー / メディア |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、1880 年代から両大戦間期にかかるドイツ文化圏での舞台舞踊の変化を、メディ アとしての「電気」が果たした役割に注目して見直し、表現、制度、理論の三つの観点から 整理、考察するものである。舞踊の制作と受容の過程で、この新興技術と伝統ある芸術の接触から生じる摩擦や新規な感性的体験が、モダニズムの舞踊理論へいかなる影響を及ぼし得たかを解明する。
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研究実績の概要 |
造形芸術と光学見世物の間を問題とする本研究1年目にあたる2023年度は、ウィーン電気技術博覧会の特設電気劇場の振付に続き、電化された宮廷歌劇場のため『人形の精』を振り付け、その成功により1919年の歌劇場改組までバレエマスターを務めたヨーゼフ・ハスライターのスペクタクル・バレエ(Ausstattungsballet)について、新たな資料収集と分析を行った。 資料はウィーン国立演劇博物館をはじめとするダンス・アーカイブ所蔵の台本、振付ノート、楽譜をはじめとする一次資料にあたった。また視覚を活性化する具体的な手法とその効果を新聞雑誌の批評も収集した。 具体的には、二回のドイツ、オーストリア複数都市にて図書館、公文書館での資料調査を行ったところ、『エクセルシオール』および『人形の精』の未公開、未発見のものを含む作品資料を得ることができた。前者については、過去に行った台本分析および公演評と突き合わせた上、今年度の論文にして公開する予定である。後者については、『人形の精』の写真コレクションの分析の中で、映画の前段階の光学複製メディアである写真と舞踊の歴史的関わりを示す、貴重な資料が含まれていることが明らかになった。これまで写真技術と舞台芸術の発展史のはざまで目を向けられなかった二つの系譜ーースタジオ撮影のダンサー肖像と、劇場撮影の舞台記録ーーを析出し、メディア史の観点から裏付けた論考を、学会誌に投稿した(査読中)。写真コレクションと併せて、19世紀の写真の発展を開発と同時に知らせる雑誌資料からは、明かりの記録媒体として写真および撮影照明を捉える視点が得られた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
アーカイヴ担当者(複数)の都合による訪問予約キャンセル(複数回)のため。 手書きによる資料の解読に時間がかかっているため。
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今後の研究の推進方策 |
引き続き、収集した資料の読み込みを続ける。
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