研究課題
基盤研究(C)
19世紀終わりから20世紀初めにかけて登場した初期の音響再生産メディアは、同時代の音楽家達の作品観や演奏観にどのような変化をもたらしたのか。また逆に、彼らの作品観や演奏観は、音響再生産メディアの向かうべき方向に関して、どのような可能性を提示したのか。本研究ではこれら2点の相互に絡み合う問題について、とくにバルトークやストラヴィンスキーなど、モダニズム的な作曲家達の事例から考察する。具体的には、創作に先立つ録音資料の利用から、自作自演録音に至るまでのメディアとのかかわり方を見渡すことで、彼らの研究活動・創作活動・演奏活動に通底する音楽観をあぶりだすことを試みる。