研究課題/領域番号 |
23K00142
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分01050:美学および芸術論関連
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研究機関 | 京都市立芸術大学 |
研究代表者 |
太田 峰夫 京都市立芸術大学, 音楽学部, 教授 (00533952)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2027-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2026年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2025年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2024年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2023年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | フォノグラフ / 民謡研究 / バルトーク / ストラヴィンスキー / 自動ピアノ / 音響再生産メディア / 自作自演録音 / 音楽のモダニズム / 比較音楽学 |
研究開始時の研究の概要 |
19世紀終わりから20世紀初めにかけて登場した初期の音響再生産メディアは、同時代の音楽家達の作品観や演奏観にどのような変化をもたらしたのか。また逆に、彼らの作品観や演奏観は、音響再生産メディアの向かうべき方向に関して、どのような可能性を提示したのか。本研究ではこれら2点の相互に絡み合う問題について、とくにバルトークやストラヴィンスキーなど、モダニズム的な作曲家達の事例から考察する。具体的には、創作に先立つ録音資料の利用から、自作自演録音に至るまでのメディアとのかかわり方を見渡すことで、彼らの研究活動・創作活動・演奏活動に通底する音楽観をあぶりだすことを試みる。
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研究実績の概要 |
本課題では「初期の音響再生産メディアは、同時代の音楽家達の作品観や演奏観にどのような変化をもたらし たのか。また逆に、彼らの作品観や演奏観は、音響再生産メディアの向かうべき方向に関して、どのような可能性を提示したのか。」の2点について、とくにバルトークやストラヴィンスキーなど、モダニズム的な作曲家達の事例から考察するが、本年度はバルトークのことでほとんど手一杯であった。 具体的な実績は2つ。まず、「作曲家の自作自演録音の美学的位置付け」、具体的にはバルトークの自作自演録音の規範的性格について、ブルガリアン・リズムの事例をもとに考察した。次年度に学会で発表を行う。また、これに関連して、論文も完成させたい。 次に、「フォノグラフによる民謡採集が作曲家にもたらしたインパクト」、具体的にはフォノグラフがバルトークの民謡研究の展開にもたらしたインパクトについて、記譜スタイルの変遷に着目した論考をまとめた。未完成なので、こちらも次年度の論文化を目指す。 細川周平(編)『音と耳から考えるーー歴史・身体・テクノロジー』(2021年)など、聴覚文化論の文献も読むことができた。ストラヴィンスキーについては、彼と自動ピアノとのかかわりについてらの先行研究(Mark McFarlandの"Stravinsky and the Pianola A Relationship Reconsidered" (2011)など)を読むところで止まってしまったので、これについては次年度以降、掘り下げたい。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
調査のための出張の時間が取れず、全般的には一次資料の調査がやや不足気味であり、開始時と比べて視野が大きく広がったとまでは言えない。しかしながら、いくつかの小さなトピックについては考察が深まり、じっさいに論文や発表の準備も進みつつある。とくに自作自演録音の研究については、次年度中には学会発表や論文の投稿など、具体的な成果につなげられると見込んでいる。
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今後の研究の推進方策 |
作業中のトピックに関して、論文化をすすめる。できれば次年度中に投稿へと繋げたい。並行して学会発表を行い、関連のテーマに取り組む研究者たちともディスカッションを行いたい。 また、ブダペストをはじめ、海外でも一次資料の収集をすすめ、視野を広げていきたい。
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