研究課題/領域番号 |
23K00143
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分01050:美学および芸術論関連
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研究機関 | 大阪公立大学 |
研究代表者 |
瀬戸 宏 大阪公立大学, 大学院文学研究科, 都市文化研究センター研究員 (80187864)
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研究分担者 |
毛利 三彌 成城大学, 文芸学部, 名誉教授 (10054503)
日置 貴之 明治大学, 情報コミュニケーション学部, 専任准教授 (70733327)
李 知映 芸術文化観光専門職大学, 芸術文化・観光学部, 講師 (70812618)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2025年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2024年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 東アジア / 近代劇 / 話劇 / 新劇 / 新派 / 文明戯 / 東アジア演劇近代化 / イプセン |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、東アジアにおける演劇の近代化(modernization)の中で特に近代劇と呼ばれる演劇形態の形成過程を比較研究しようと試みるものである。 本研究で言う東アジアは、日本・中国・韓国朝鮮および台湾の各国・地域を指す。(本研究でいう韓国朝鮮は、これまで日本では朝鮮、韓国、コリアなどさまざまな呼ばれ方をされてきた。本研究では、研究分担者の意向をふまえ、韓国朝鮮と表記する。台湾が中国の一部か、中国とは別の文化圏か、独立した国家か否か、については国際政治関係も含めた複雑な論争対立がある。本研究では中国語文化圏に属するが中国とは相対的に異なった地域とみなす。)
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研究実績の概要 |
・科学研究補助金基盤研究(C)「東アジアにおける近代劇形成の比較研究」獲得が2月下旬に明らかになってから、研究代表者・分担者の四人は、2023年3月25日(大阪、クロスパル高槻)に総括的な研究打ち合わせをおこなった。研究代表者の瀬戸宏が、「・本研究は、東アジアにおける演劇の近代化(modernization)の中で特に近代劇と呼ばれる演劇形態の形成過程を比較研究しようと試みるものである。本研究で言う東アジアは、日本・中国・韓国朝鮮および台湾の各国・地域を指す。本研究は東アジアにおける近代劇形成過程の比較研究を主目的とする。近代劇の形成は、東アジアの演劇近代化過程の中で最も主要な事象である。近代劇は“近代社会の理念や精神を最も純粋に反映した演劇”である。日本、韓国朝鮮、台湾の新劇、中国の話劇が相当する。比較研究は、直接の影響関係研究と各国・地域の近代劇形成過程の類似事象を分析する対照研究の二つに分かれる。研究の拡散を防ぐため、1945年を研究の下限とし、東アジア各国地域近代劇形成の共通点と相違点をそれぞれの言語資料に基づき明らかにする。」と研究の概要を確認した。 ・7月30日(東京、全水道会館)瀬戸宏が、元曲から五四新文化運動時期までの中国戯曲形態の近代化を概括する報告をおこなった。10月1日(東京、明治大学駿河台校舎)李知映が韓国朝鮮演劇の近代化を概観する報告をおこなった。 これらの報告はまだ文章化はされていないが、このような報告を通して研究メンバーの知識の共有化を図った。 ・また瀬戸宏は11月12日~16日ソウルを訪問し、韓国朝鮮演劇の知識を豊富化した。この訪韓の成果は、今後の研究に生かされる。そのほか各メンバーの個別研究では別項の成果を得た。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
特に専任職にある研究分担者2名が校務で多忙な中、事前準備を含めて3回の研究会を持つことが出来た。これによって、日本・中国・韓国朝鮮の演劇近代化、近代劇形成過程についてある程度認識を共有することができた。 個人研究としては、研究代表者の瀬戸宏は11月12日~11月16日に韓国ソウル訪問を実施した。徐在吉氏(国民大学准教授)、津川泉氏(柳敏榮『韓国演劇運動史』翻訳者)の協力を得て、呉秀君教授、柳敏榮教授と面談した。韓国の代表的中国演劇研究者である呉秀君教授との面談を通じて、韓国での中国現代演劇研究の現状や日本と共通する問題を知ることができた。柳敏榮教授との面談を通じて、柳教授が『韓国演劇運動史』を執筆した背景をより深く理解できた。 ソウル滞在中に畑澤聖悟『親の顔をみたい』韓国語翻訳上演(大学路小劇場)、唱劇『覇王別姫』(韓国国立劇場)、ユン・ジョンファン作『秘密の歌』(大学路芸術劇場)、曹禺『雷雨』韓国語上演録画映像(文化芸術振興院所蔵)を鑑賞し、ソウルの書店を見学した。これらにより、瀬戸宏の韓国演劇および韓国の演劇研究への理解を大幅に向上させることができた。 一方で、科研費支給額が予定より削られたことと、大学専任教員の多忙で、当初予定していた研究代表者・分担者そろっての韓国または中国訪問、現地での研究会開催は実行できなかった。10月以降の研究会も2023年年度内に実行できなかった。(ただし2024年4月6日に実施)これらの課題を2024年度は解決することが求められる。
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今後の研究の推進方策 |
2023年度と同様に共同研究と個人研究を組み合わせる。研究グループの中で専任職にある者と退職者・名誉教授の者との研究に割ける時間などに差があるので、その差を埋める工夫をする。特に韓国朝鮮の演劇に対する知識が研究グループの中で不十分なので、2024年度は韓国に集団で視察旅行をおこなうなど、韓国演劇研究に重点を置く。
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