| 研究課題/領域番号 |
23K00144
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| 研究種目 |
基盤研究(C)
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| 配分区分 | 基金 |
| 応募区分 | 一般 |
| 審査区分 |
小区分01050:美学および芸術論関連
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| 研究機関 | 岡山県立大学 |
研究代表者 |
樋笠 勝士 岡山県立大学, デザイン学部, 特命研究員 (10208738)
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| 研究分担者 |
向山 徹 岡山県立大学, デザイン学部, 教授 (00638546)
河田 智成 広島工業大学, 環境学部, 教授 (60367836)
坂田 奈々絵 清泉女子大学, 文学部, 准教授 (30795109)
畠 和宏 岡山県立大学, デザイン学部, 准教授 (00803785)
川本 悠紀子 名古屋大学, デジタル人文社会科学研究推進センター(人文), 准教授 (70780881)
ダヴァン ディディエ 国文学研究資料館, 研究部, 准教授 (90783291)
岡北 一孝 岡山県立大学, デザイン学部, 准教授 (00781080)
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| 研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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| 研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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| 配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2025年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2024年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2023年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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| キーワード | 美学 / 建築工学 / 空間的感性 / 光の形而上学 / 建築史 / 光の美学 / 建築工学的空間論 / 建築史的空間論 / 空間感性論 |
| 研究開始時の研究の概要 |
本研究は西洋中世12世紀に始まる「光の美学」を文理融合的に学際化させ、東西文化にも通底する普遍性をもつ学へと拡張展開させることで、現代の建築学の課題にも応える応用美学とするものである。このため本研究は、研究全体を統括する理論美学、「光の美学」の始点に立つ神学、工学系の設計技術と建築学及び木造建築工学、「光の美学」の普遍学化を担う東西の建築史、建築理念を支える仏教思想、といった諸領域を跨ぐ研究集団を構成し、その応用美学研究として、学的規範性のある江戸期の木造建造物(文化財)の測量調査及び設計思想の復元によって、「木造建築物における光の感性論」を提案する。
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| 研究実績の概要 |
本研究は人文系分野と工学系分野とを架橋する学際的挑戦的研究である。当該年度は研究計画2年目であり、前年度に構築した三つの研究態勢(①研究の全体像を相互理解するための全体会議、②各研究チームの目的に従った分野別研究、③各人の専門による個人研究)を充実促進させた。加えて②と③の研究深化を図る目的により、分担者を1名追加させ研究全体の完成度を高めた。 先ず上記①については、春の全体メール会議に引き続いて、第1回全体会議(2024年10月オンライン開催)を開催し、分担者川本の研究発表(「古代ローマにおける建築空間における光について」)、分担者河田の研究発表(「近代建築成立期における空間と光の問題 ~ヴァーグナーによる被覆の空間モチーフ化は近代建築における光の変容にいかに作用したか~」)、また第2回全体会議(2025年3月オンライン開催)では、分担者ダヴァンの研究発表(「仏教と光を考えて」)と追加分担者岡北の研究発表(「アルベルティと光をめぐる断章」)があり、建築史の古典と現代、文化の東西を架橋する普遍的視野を共有できた。 ②については、Aチーム(理論研究)として樋笠が「光の美学」についての論考を作成し美学会など関係学会にて公開し研究意義の周知を図った。Bチーム(建築文化史研究)は、追加分担者岡北によるルネサンス建築文化史における空間感性論研究を迎えて建築文化史の体系的理解を深めた。Cチーム(建築工学研究)については、分担者向山を中心にして閑谷学校の調査研究を進め、学会発表等にて成果を出した。 ③については、後述の個別研究以外では、分担者向山による閑谷学校調査及び建築賞受賞1件、分担者川本による名古屋大学関連の資料デジタル化1件及び研究オーガナイズ2件、分担者畠による研究事業2件及び各種受賞2件及び作品出展2件、講演活動では向山6件、畠2件、ダヴァン3件の研究成果の発表・公開があった。
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| 現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
3年の研究計画の中で2年次計画としては、1年目に構築した研究基盤を展開・深化させることを第一としている。それは、建築工学系研究と人文系研究とを繋ぐ方法的な相互理解と本研究の目的の理解について分担者全員が共有した上での、建築史研究である。その出発点となる西洋古典と西洋現代の各々について2回の全体会議にて研究を共有できた。加えて、研究の深化のために、西洋古典と西洋現代とを繋ぐルネサンス研究分担者をも新たに加えたので、建築文化史上の体系的俯瞰が実現でき、当該年度の目的は予定以上に達成されたと考えられる。また当初の予定通りに西洋建築史を相対化するために東洋文化における「光」の文化史研究を交えた結果、東西文化に亘る「光の空間感性論」に関する普遍的視点を得ることができた。 また本研究は、その学際的性質上、研究理念(Aチーム担当)が各チーム研究や個々の研究をリードする形をとるが、これも2回の全体会議と、Aチームにも属す研究代表者の研究成果の公開及びAチーム分担者の研究発表とで達成させることができた。また本研究の応用研究且つ実践的目的となる閑谷学校の現地調査については、分担者向山による現地調査(御納所裏手、火除山、学房西における盛り土切土部分の石積みの写真測量による調査)が実施され成果が建築学会にて発表された。
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| 今後の研究の推進方策 |
研究3年目となる2025年度は、理論研究Aチームは、理論的支柱を確固たるものとするために、また本研究全体をリードする中心的な役割を持続させるためにチームとしての研究を進め、最終的に公開のシンポジウムを開催する予定である。 Aチームとしては、研究代表者樋笠は、哲学史における建築思想をまとめ、「光の美学」に特化させた史的研究の論考を発表・公開する。また建築文化史研究Bチームについては2025年度においてmチーム研究の成果として建築空間論の歴史研究をまとめる。建築工学研究Cチームは、次年度の公開シンポジウムにおいて、実証的な実地調査活動に基づいた本研究の応用研究となる研究発表を行う予定である。この点で、閑谷学校の現地調査に基づき、設計思想研究(向山)、木造建築研究(畠)が、その中心を担う予定である。このシンポジウムには分担者全員が結集し、オンラインにて各自の研究を公開発表する予定である。さらに、建築史的体系性をもった研究態勢が整ったので、以上のすべての研究成果については論文集の形で発表・公開する計画をたてている。
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