研究課題
基盤研究(C)
2019年度から21年度の科学研究費助成事業において、「江戸時代の東北画家のおける地域と階層に由来するアイデンティティの基礎的調査研究」というテーマに取り組んだ。そこで生じた新たな問いについて探究する発展的な内容と、本研究を位置づける。東北諸藩の御用絵師が幕府奥絵師の中橋、鍛冶橋、木挽町狩野家に師事する状況に加え、師弟間の交流や作画活動上の分担など、藩の御用絵師と幕府奥絵師それぞれの組織間における関係性について究明する。これに対し、領主としての藩に伝来した膨大な量を誇る日記資料に着目し、特に弘前藩の『藩日記』と仙台藩の『治家記録』を中心に 調査したうえで、関係記事を抽出して分析を加える。