研究課題/領域番号 |
23K00159
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分01060:美術史関連
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
伊藤 拓真 九州大学, 人文科学研究院, 准教授 (80610823)
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研究分担者 |
高橋 健一 成城大学, 文芸学部, 教授 (70372670)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2027-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2026年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2025年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2024年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2023年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | ルネサンス美術 / フィレンツェ / ローマ / ボローニャ / 美術批評 / フィレンツェ絵画 / 芸術地理 / 中心と周縁 / 美術批評史 |
研究開始時の研究の概要 |
美術史記述における中心/周縁という区分は、文化的進展/遅延、古典/反古典といった二項対立的枠組みを前提としている。本研究の目的は、「中心」という概念の恣意性を踏まえてルネサンス期のフィレンツェ美術の地域性を再検討し、「中心」と「周縁」という構図が形成されるプロセスを明らかにすることである。ヴァザーリらに代表される美術批評において、「中心」として位置づけられたフィレンツェの優位は、芸術家・作品の移動によって「周縁」に拡散していったとされている。本研究では、地域移動を伴う制作者や作品の事例を収集・分析し、ルネサンス美術展開の中心というフィレンツェの位置づけがどのように形作られたのかを検証する。
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研究実績の概要 |
本年度は研究開始の一年目として、文献調査および作品調査によって対象とする個別事例についての知見を深めた。 研究代表者・伊藤の活動としては、文献調査としては、個別の作品にかかわる文献のほか、S. Campbell, The Endless Periphery, 2019やF. Bologna, La coscienza storica dell’arte d’Italia, 1982などの著作を再確認し、方法論的な枠組みの考察を行った。2023年から9月から11月には、在フィレンツェ・オランダ大学連合美術史研究所(NIKI)に、スカラー・イン・レジデンスとして滞在し、同研究所の文献資料を活用した調査を行うとともに、フィレンツェおよび関連地域の作品および関連資料の調査を集中的に行うことができた。また同研究所で開催されたシンポジウムArtists' Workshop Practice in the Renaissanceに参加するなどして、現地の研究者との知見を交換することができた。具体的な研究成果としては、ウンブリア地方出身であった画家ペルジーノが、フィレンツェの文化潮流にどのように適応したかを分析し、NIKIにおける講演として口頭で発表を行った。 分担者・高橋は、バロック美術の誕生に大きな役割を果たしたアンニーバレ・カラッチがその初期の拠点ボローニャで制作した作品の分析をおこなった。作品から新たに得られた画家像をもとに、ベッローリとマルヴァジアなどの各人の美術史記述の妥当性について検討し、フィレンツェやローマを中心とする美術史記述に対する意識を確認した。 また2024年3月には研究代表者・分担者のほか、関連する研究者の参加のもと研究会「近世イタリアにおける美術の諸相」を開催し、関連テーマについての知見の交換および議論を行い、今後の研究の方向性を確認した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究代表者、分担者ともに、科研費によってイタリア現地での作品調査・分析を行うことになり、本年度は想定に対して十分な結果を得ることができた。特に研究代表者である伊藤については、NIKIのスカラー・イン・レジデンス制度によって長期の現地滞在が可能になったことから、集中的に作品の実見を行うとともに、現地でなければ閲覧が困難な文献を調査することが可能になったことが大きい。
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今後の研究の推進方策 |
研究の二年目となる2024年度以降については、個別の事例の調査を進めると同時に、その分析のための方法論的な枠組みを多角的に検討していく必要がある。そのために、2025年には在フィレンツェ・オランダ大学連合美術史研究所との共催によるシンポジウムも計画している。また2024年は分担者・高橋が長期の現地滞在を予定しており、その機会を活用しての調査の進展が期待される。
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