研究課題
基盤研究(C)
古代寺院の巨大木造建築が仏像と連動した空間なのは、当然古代人が両者を綿密に計算し、礼拝者の仰角を含めて設計していたからであろう。経典には仏像の高さ(像高)しか記載されておらず設計の実態もわかっていないが、研究実施者のこれまでの研究で建築と仏像の関係は高さが優先されることが掴めてきた。つまり古代人は、高さを第一基準としてものづくりをしていた可能性がある。そこで本研究では、像高が寺院全体の規格にどこまで影響したのかを明らかにしてみたい。こうした本研究の成果によって美術史学のみならず、建築史学、文献史学とも絡み合って、古代日本人の効率的かつ合理的なものづくりを多角的に掴むことが期待できるのである。