研究課題
基盤研究(C)
「新しい絵画世界展―アンフォルメルと具体」は、1958年4月に大阪なんば高島屋で開催された後、同年9月まで長崎、広島、東京、京都を巡回した展覧会である。同展はフランス人の美術評論家、キュレイターのミシェル・タピエと具体美術協会の主宰者吉原治良が企画した「アンフォルメル」の国際的かつ大規模なデモンストレーションであり、新しい美術運動が世界的な規模で同時的に展開する今日の状況の原点としてきわめて重要である。そこで本研究では、同展の調査を通じ、戦後間もない1950年代半ばの日本人にとって、また日本の美術にとって、国際的な美術運動の主体者になるとはいかなることであったかという「問い」について考察する。