研究課題
基盤研究(C)
日本の伝統文化への関心は1930~40年代に覚醒し、1950年代に無形文化財制度などを通じて復興を遂げたが、その背景に戦時の国策的ナショナリズムの影響があったことが近年の研究で明らかにされている。一方で、この伝統復興の時代に、欧米でのポストジャポニスムの日本文化研究の深化がいかに関与したかは検証されていない。本研究は日本の伝統文化論に、ジャポニスム以後の欧米での日本文化研究の深化がいかに関与したのかを具体的に明らかにする。「協働」関係にあったのか、対立的な「競合」関係にあったのか。伝統復興のナショナリズムが欧米との往還的でインターナショナルな相互作用によって形成されたことを明らかにする。