研究課題/領域番号 |
23K00200
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分01070:芸術実践論関連
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研究機関 | 東京経済大学 |
研究代表者 |
山田 晴通 東京経済大学, コミュニケーション学部, 教授 (40191324)
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研究分担者 |
東谷 護 愛知県立芸術大学, 音楽学部, 教授 (10453656)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2025年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2024年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2023年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | フォークソング / アマチュア / 歌謡曲 / サークル / 阿久悠 / 無名性 / フォークジャンボリー / マスメディア / レコード産業 |
研究開始時の研究の概要 |
マスメディアを頼らないポピュラー音楽の広がりを支えた「場」と「人々」の存在について、インタビューを含めた実証的研究によって岐阜県東濃地区をはじめとしたローカルな場の音楽文化の文化史的意義を問うことによって、スターシステムを主軸に描かれた日本のフォークソング史を再考し、新たな日本のフォークソング史を構築する。 既存の学術研究においては、二次文献を用いた分析、一次資料を用いても新聞、雑誌等のアーカイブ分析が主であり、当時の実体験者を探し出して、新たに、インタビューを行い、資料批判を行ったうえでの当時の再構成を行うという方法は新たなアプローチとなる点において本研究は方法論の提案も有している。
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研究実績の概要 |
フォークソングは草の根の音楽、アマチュア主体の音楽と称されることが比較的多いが、実際にはアマチュアの音楽実践やマスメディアと無縁の音楽活動を行っているフォークシンガーらについて学術研究はほとんどなされていないどころか、こういった音楽実践の実態を知らしめる音楽雑誌のような紙媒体が少なくなってしまった。幸い、現在ではSNSのような電子媒体によって、音楽活動の情報を伝える働きを担っているようである。 本研究では、マスメディアを頼らないポピュラー音楽の広がりを支えた「場」と「人々」の存在について、インタビューを含めた実証的研究によってローカルな場の音楽文化の文化史的意義を問うことによって、スターシステムを主軸に描かれた日本のフォークソング史を再考し、新たな日本のフォークソング史を構築したい。 本年度はこうした研究目的と研究背景を基に、研究開始後すぐに、研究代表者の山田と分担者の東谷とで、マスメディアを頼らないポピュラー音楽の広がりを支えた「場」と「人々」の存在について、インタビューを含めた現地調査の対象地の検討を徹底的に行った。その結果、(A)アマチュアとしてコンサートの開催やCD制作と販売を含む音楽実践を50年ほどに亘って行っているフォークソングのグループと(B)10代後半から20代前半にかけてフォークソングを聞いて青春時代を楽しみ、退職後に趣味でフォークソングのサークルを結成し自主コンサートを開催しているグループを調査対象にすることとした。 これら草の根で活動してきた/活動するアマチュアとは対称的にマスメディアとフォークソングの関係も検討した。具体的には歌謡曲とフォークソングとの関係性である。歌謡曲の作詞家である阿久悠がフォークソンググループの南高節とかぐや姫(初代)に作詞を提供している(1970年)ことに着目した。これに関連して、阿久悠の基礎資料の間違いを正す論文を発表した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
研究分担者の東谷が学内の役職についているのだが、緊急案件が立て続けに入ってしまい、予定していた現地調査(複数回)を見送らざるをえなくなってしまったため。
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今後の研究の推進方策 |
研究対象の方たちへのインタビューを行えるように日程調整を行っていくのと併行して、歌謡曲とのフォークソングとの関係、本プロジェクトの基となった「マス・メディアに依存しないポピュラー音楽の伝播に関する民族誌的研究」(課題番号:20K00219、基盤C)において、収集した一次資料について無名性を鍵語として分析を行いたい。
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