研究課題/領域番号 |
23K00209
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分01070:芸術実践論関連
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研究機関 | 東京藝術大学 |
研究代表者 |
長嶌 寛幸 東京藝術大学, 大学院映像研究科, 教授 (10621790)
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研究分担者 |
松井 茂 情報科学芸術大学院大学, メディア表現研究科, 教授 (80537077)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2025年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2024年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2023年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | サウンドデザイン / 表象文化論 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、1968年から現在まで映画界の第一線で活躍する映画録音技師、菊池信之のオーラル・ヒストリーと、技術的な記録を、実制作(再現を含む)を通じて行う。 1968年以後の小川プロダクションの制作体制を通じて確立されたサウンド・デザインをはじめとする技術的な達成が、1990年代から現在まで、国際的に評価される日本映画の根幹にあったことを明らかにすることを目的としている。従来の映画研究が、監督の思想、あらすじの同時代性に偏重してきたことから脱却し、映画制作の技術から表現の質を問う、サウンド・デザイン研究という新たな枠組みの確立を目指すものである。
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研究実績の概要 |
本研究の準備段階として、本研究の対象者である映画録音技師、菊池信之が、これまでに関わった映画作品を時代別(小川プロ在籍時におけるドキュメンタリー、Vシネマ時代、青山真治、黒沢清、河瀬直美などの監督を始めとする劇場公開映画)に映像と文献の資料収集と整理を行い、菊池信之のフィルモグラフィーを体系化した。そして、このフィルモフラフィーを元に、菊池信之と「どのようにインタビューを進めるか」を討議し、「菊池信之のオーラルヒストリーの全体像」を「音響機材のテクノロジーの進歩を導入口としてまとめ上げる」という点で合意することができた。そして、インタビューを行うことと並行し、この研究の最終的な成果の一つである「菊池信之の音響技法を解説する映像記録作品」の初年度分の撮影、編集を行うことができた。内容は、菊池信之が音響的な興味をもった素材(風景、現象)を撮影し、その映像に対して、撮影現場での同時録音、そして撮影後に新たに加えた音響(効果音など)により、撮影された映像がどのように変容していくかというものである。今年度分の制作記録を菊池信之と研究代表者、研究分担者が批評を行い、その結果を元に次年度の撮影、編集の改善点につなげることができた。また、菊池信之と研究代表者との過去における青山真治作品での共同作業を研究代表者の立場から菊池信之の作業に対する疑問点などを整理し、次年度の菊池信之へのインタビュー準備を行うことができた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究の基礎である研究対象者である菊池信之のフィルモフラフィーを映像、文献において、整理することができ、このフィルモフラフィーを元に本研究の成果目標の一つである「菊池信之のオーラルヒストリー」を「音響テクノロジーの進歩」という切り口で進めることができ、また、それに基づいて、もう一つの研究成果となる「菊池信之の音響技法を解説する映像記録作品」制作を同じ観点で進めることができたため。
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今後の研究の推進方策 |
引き続き、研究対象者である菊池信之へのインタビューを続け、「菊池信之の音響技法を解説する映像記録作品」の撮影、編集を継続し、両者の結果をフィードバックさせながら、研究の精度を向上させていく。
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