研究課題
基盤研究(C)
本研究では、1968年から現在まで映画界の第一線で活躍する映画録音技師、菊池信之のオーラル・ヒストリーと、技術的な記録を、実制作(再現を含む)を通じて行う。1968年以後の小川プロダクションの制作体制を通じて確立されたサウンド・デザインをはじめとする技術的な達成が、1990年代から現在まで、国際的に評価される日本映画の根幹にあったことを明らかにすることを目的としている。従来の映画研究が、監督の思想、あらすじの同時代性に偏重してきたことから脱却し、映画制作の技術から表現の質を問う、サウンド・デザイン研究という新たな枠組みの確立を目指すものである。