研究課題/領域番号 |
23K00216
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分01070:芸術実践論関連
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研究機関 | 佐賀大学 |
研究代表者 |
土屋 貴哉 佐賀大学, 芸術地域デザイン学部, 教授 (50793866)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2025年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2024年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2023年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
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キーワード | 現代美術 / メディア・アート / ネット・アート / ファウンド・フッテージ / インターベンション・アート |
研究開始時の研究の概要 |
インターネット情報の流動性と不定性に着目した映像/音声創作の新たな仕組みを開発し芸術作品として公開する。インターネット検索はもはやその技術も行為も意識することのない日常となり、インターネット情報は日々増殖・消滅・改変を繰り返す流動性をもつ。それは時間や状況といった世界の諸要因の反映と言える不定のものである。本研究は、そのようなインターネットを取り巻く状況への反応であり、キーワード検索行為を生成のトリガーとした偶有的視聴覚現象の自動発生システムの構築と、多様なパラメーターでの生成実験による結果から、同時多発する情報の重層的接点の場としてのテクノロジーの現れの美学的可能性を示す。
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研究実績の概要 |
本年度は、これまでの予備実験の知見を継承したWebシステムの継続開発、パラメーター実験、 生成結果の視/聴覚的側面の評価、およびそれら進捗成果の公開を実施した。 (1)プレイヤーの重層構造の実現と映像・音声情報へ間接的処理によるアクセス: プレイヤーの8層構造を実現するにあたり、複数層の同時再生に不具合が発生し、新規再生命令の度に自動停止してしまう課題があったが、対象情報へのアクセスを音声情報と視覚情報に分けてアプローチすることで解決の見通しを得た。 (2)一回性の視/聴覚現象の無限自動生成とパラメータ実験: 増殖・消滅・改変を繰り返すインターネット情報の流動性・不定性という特性と抽出情報の自動ランダムトリミングの組み合わせから、一回性の現象生成に一定の成果をみた。音声情報と視覚情報への分離アクセスによる方策により、融合処理における結果の複雑性にも一定の成果をみた。各層の視覚情報を個別に変形させる方法とタイミングについて実験を繰り返し、その過程で得られる多様な結果の美的側面での評価実験を継続した。この点は可能な限り多様な方策の可能性も引き続き検討する。重層融合方法はmix-blend-modeプロパティをスクリプト処理で動的に実現させる見通しを得た。これらの知見から音声の変形融合への応用、実験のパラメータの展開についても予察を得た。 (3)進捗成果の公開: 研究進捗の公開発表として。多様なパラメ ーターによる生成実験の過程で得られた生成成果を、神奈川芸術劇場アトリウムにて半年間に渡り投影公開した(神奈川芸術劇場からの依頼)。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究課題の進捗状況について以下に報告する。 プレイヤーの8層構造を実現するにあたり、複数層の同時再生に不具合が発生し、新規再生命令の度に自動停止してしまう課題があったが、対象情報へのアクセスを音声情報と視覚情報に分けてアプローチすることで解決の見通しを得た。音声情報と視覚情報への分離アクセスは、融合処理における結果の複雑性にも一定の成果をみた。 各層の視覚情報を個別に変形させる方法とタイミングについて実験を繰り返し、その過程で得られる多様な結果の美的側面での評価実験を継続した。この点は可能な限り多様な方策の可能性も引き続き検討する。重層融合方法はmix-blend-modeプロパティをスクリプト処理で動的に実現させる見通しを得た。これらの知見から音声の変形融合への応用、実験のパラメータの展開についても予察を得た。 以上の観点と取り組み進捗現状を鑑みると、概ね順調に進展していると言える。
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今後の研究の推進方策 |
各層の視覚情報を個別に変形させる方法とタイミングについての実験は次年度以降も繰り返し実施し、その過程で得られる多様な結果の美的側面での評価実験を継続する。この点は可能な限り多様な方策の可能性も引き続き検討する。 生成される視/聴覚現象の文字による記録と自動音声化実験。読込データの自動処理時の各種属性値を連想配列化し、別システムとの非同期通信により、即時的なタイピング表示と読上げ処理の自動化に取り組む。
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