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モダン楽器のピアノによるショパン作品の演奏表現とその変化

研究課題

研究課題/領域番号 23K00219
研究種目

基盤研究(C)

配分区分基金
応募区分一般
審査区分 小区分01070:芸術実践論関連
研究機関京都市立芸術大学

研究代表者

多田 純一  京都市立芸術大学, 日本伝統音楽研究センター, 客員研究員 (90635278)

研究期間 (年度) 2023-04-01 – 2027-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2026年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2025年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2024年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2023年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
キーワードショパン / ショパン国際ピリオド楽器コンクール / 演奏表現 / 即興性 / エディション / ショパン国際ピアノ・コンクール
研究開始時の研究の概要

本研究はモダン楽器のピアノによる演奏表現とその変化を考察する研究である。ここで言うモダン楽器とは、ピリオド楽器(古楽器)に対して現在の一般的なピアノを指す。
2021年に開催された第 18 回ショパン国際ピアノ・コンクールでは演奏の多様化が確認され、個性的な演奏が評価された。本研究では現在をショパン像が変化する過渡期であると考えている。
2023年10月に第2回ショパン国際ピリオド楽器コンクール、2025年10月に第19回ショパン・コンクールが開催予定であり、ピリオド楽器によるショパン作品の演奏がモダン楽器における演奏にどのような影響を与えるのか、エディション選択との関連性を含め多角的に考察する。

研究実績の概要

本研究の目的は、フリデリク・フランチシェク・ショパン(1810-1849)の作品における、モダン楽器のピアノによる演奏表現とその変化を明らかにすることである。ピリオド楽器(古楽器)のピアニストが追求しようとする、ショパンが存命した時代の演奏様式の再現が、モダン楽器(現在の一般的なピアノ)の演奏にどのような影響を与えるのか、ということを考察する。
本研究の初年度にあたる2023年度は、「研究実施計画」に示した4つの項目のうち、次の2点に目標を定めた。①2023年に開催が予定されている第2回ピリオド楽器コンクールを現地にて視察し、出場者の演奏について、即興演奏、ヴァリアントの選択、再現部における表現の変化、選曲を分析する。②2024年に行われる国際ショパン学会に参加し、第2回ピリオド楽器コンクールにおける演奏表現についての分析を発表する。第2回ピリオド楽器コンクール出演者が使用したエディションの一覧資料を入手し、その傾向を分析すると共にデータとして提示する。
①については、2023年10月にポーランド(ワルシャワ)にて第2回ショパン国際ピリオド楽器コンクールが開催された。研究代表者である多田純一と、研究協力者である岡部玲子および武田幸子により、現地調査を実施した。2018年に行われた第1回よりも作品に前奏を付加することや、装飾音の付加が積極的に行われていた。演奏表現に関する具体的な考察は次年度に行う。
②については、第2回ショパン国際ピリオド楽器コンクールの現地調査実施時に、現地にてポーランド国立フリデリク・ショパン研究所のコンクール担当者と面会し、コンクール後に出演者が使用したエディションの一覧資料データを入手した。初年度はこのデータを分析した論文を3名の共著として作成し、現在、査読の結果を待っている状況である。査読に通れば5月末に刊行される予定となっている。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

研究実績の概要にて述べた通り、第2回ショパン国際ピリオド楽器コンクールについての現地調査は計画通りに実施することができた。調査を実施するにあたり、事前にチェックシートを作成し、即興的な「前奏」、即興的な「つなぎ」、即興的な「音」や「装飾音」の付加、変更、挿入が行われたのかどうか等について、実際の演奏を聴きながらチェックした。このチェックシートの内容および演奏表現について初年度に考察する予定であったが、後述する理由により、次年度に持ち越すこととした。調査そのものは無事に実施され、記入したチェックシートは保管しているため、研究が遅れている訳ではない。
演奏表現の考察を次年度に持ち越すことにした理由は、「研究実施計画」に示した「②2024年に行われる国際ショパン学会に参加し、第2回ピリオド楽器コンクールにおける演奏表現についての分析を発表する。第2回ピリオド楽器コンクール出演者が使用したエディションの一覧資料を入手し、その傾向を分析すると共にデータとして提示する」の後半部分にあたる、出演者が使用したエディション使用一覧の資料をコンクール直後スムーズに入手できたためである。本研究の研究代表者および研究協力者は、過去のショパン国際ピアノ・コンクール、第1回ショパン国際ピリオド楽器コンクールの参加者が使用したエディション一覧に関する資料の提供を受けているが、コンクールを開催するポーランド国立フリデリク・ショパン研究所から、いつデータを提供していただけるのかについては、その都度、状況によって異なっていた。そのため、当初は本研究の2年目にあたる2024年度にデータとして提示することを目標としたが、初年度に入手できたことから、順序を入れ替え、先に論文として発表することとした。これらのことから、総合的には「おおむね順調に進展している」と言うことが可能である。

今後の研究の推進方策

当初の予定では、本研究の初年度に実施した第2回ピリオド楽器コンクールの現地調査に基づき、2年目にあたる2024年に国際ショパン学会に参加し、コンクールにおける演奏表現についての分析を発表する予定であった。しかしながら、2024年には国際ショパン学会が開催されないことが2024年3月下旬に明らかになった。そのため、国際ショパン学会における発表は2025年以降に持ち越すこととし、その代わりとして、2024年度は第20回ショパンと彼のヨーロッパ音楽祭の現地調査を実施する。
第20回の記念年となるこの音楽祭では、歴代のショパン・コンクールおよび昨年のピリオド楽器コンクールの審査員や入賞者が多数演奏することが決まっている。8月17日は第2回ピリオド楽器コンクール優勝者であるエリック・グオのコンサートからはじまり、9月8日まで計45公演が予定されており、ピリオド楽器のピアニストとモダン楽器のピアニストの演奏表現の違いの有無を知るために、本研究の調査対象として適していると言える。
2024年度は音楽祭の現地調査を実施すると共に、初年度に現地調査を実施したピリオド楽器コンクールにおける演奏表現を分析、考察した論文を作成し、発表することを目指す。
「研究実施計画」に示した4つの項目のうち、次の2点については当初の予定通りの実施を目指す。③2025年に開催が予定されている第19回ショパン・コンクールを現地にて視察し、出場者の演奏について、即興演奏、ヴァリアントの選択、再現部における表現の変化、選曲を分析する。④2026年に行われる国際ショパン学会に参加し、第2回ピリオド楽器コンクールと第19回ショパン・コンクールにおける即興的な演奏表現の違いについて発表する。第19回ショパン・コンクール出場者が使用したエディションの一覧資料を入手し傾向を分析する。

報告書

(1件)
  • 2023 実施状況報告書
  • 研究成果

    (9件)

すべて 2024 2023

すべて 雑誌論文 (5件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (3件) (うち招待講演 2件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] 第1回ショパン国際ピリオド楽器コンクールおよび第18回ショパン国際ピアノ・コンクールにおけるエディションの選択2023

    • 著者名/発表者名
      岡部玲子、武田幸子、多田純一
    • 雑誌名

      つくば国際短期大学紀要

      巻: 49 ページ: 49-58

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 査読あり
  • [雑誌論文] よみがえるリアルショパン第2回ショパン国際ピリオド楽器コンクール2023

    • 著者名/発表者名
      多田純一
    • 雑誌名

      ショパン

      巻: 40巻12号 ページ: 4-4

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [雑誌論文] 第2ステージ―オール・ショパン・プログラム2023

    • 著者名/発表者名
      多田純一
    • 雑誌名

      ショパン

      巻: 40巻12号 ページ: 16-17

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [雑誌論文] ファイナルステージ―勝ち残った6名のファイナリスト2023

    • 著者名/発表者名
      多田純一
    • 雑誌名

      ショパン

      巻: 40巻12号 ページ: 18-19

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [雑誌論文] 第2回ショパン国際ピリオド楽器コンクール 優勝はエリック・グオ2023

    • 著者名/発表者名
      武田幸子
    • 雑誌名

      ムジカノーヴァ

      巻: 54巻12号 ページ: 6-8

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] 日本人初の「ショパン弾き」澤田柳吉の芸術2024

    • 著者名/発表者名
      多田純一、夏目久生、小山内洋、松原聡
    • 学会等名
      富士レコード社 第44回SPレコードコンサート
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 招待講演
  • [学会発表] 研究報告「「ショパン弾き」澤田柳吉にとってのベートーヴェン」2024

    • 著者名/発表者名
      多田純一
    • 学会等名
      第3回ベートーヴェン学術実践研究会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] ピアノという楽器を知ろう-ショパンのピアノ曲のより深い理解のために-2023

    • 著者名/発表者名
      岡部玲子
    • 学会等名
      (一般社団法人)全日本ピアノ指導者協会主催ピティナピアノステップ レクチャーコンサート
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 招待講演
  • [図書] 日本初の〈ショパン弾き〉澤田柳吉2023

    • 著者名/発表者名
      多田純一
    • 総ページ数
      416
    • 出版者
      春秋社
    • ISBN
      9784393936085
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書

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公開日: 2023-04-13   更新日: 2024-12-25  

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