| 研究課題/領域番号 |
23K00222
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| 研究種目 |
基盤研究(C)
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| 配分区分 | 基金 |
| 応募区分 | 一般 |
| 審査区分 |
小区分01070:芸術実践論関連
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| 研究機関 | 慶應義塾大学 |
研究代表者 |
本間 友 慶應義塾大学, ミュージアム・コモンズ(三田), 専任講師 (00650003)
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| 研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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| 研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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| 配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2025年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2024年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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| キーワード | 修復ドキュメンテーション / 修理・修復記録 / アーカイヴ / 研究データ / オープンデータ / メタデータ / 文化財 |
| 研究開始時の研究の概要 |
芸術作品の保存・修復活動の過程で作成される修復記録(ドキュメンテーション)は、作品の完全性(インテグリティ)と過去に行われた修復作業の検証を担保する、芸術研究および修復技術の継承・発展に不可欠の資料である。 本研究は「修復記録はいかに共有されうるか」という問いに基づき、修復記録に固有の特徴を明らかにする。そして、芸術作品や研究データなど、隣接領域における事例との比較を通して、その特徴が共有化を巡る課題にどのように接続するのかを検討する。さらに国内における事例を調査することによって、修復記録の共有化とアーカイヴの構築の実現に向けた端緒を開く。
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| 研究実績の概要 |
① 国内の修復実務団体における調査:前年度の予備調査の結果に基づいて、主に絵画修復の実務を担う修復工房でのヒアリング調査・現物資料の閲覧を行った。ヒアリング調査からは、修復記録の流通の現状やその背後にある修復に対する社会通念についての示唆を得た。現物資料調査では、内部資料の閲覧機会を得て、修復作業と修復ドキュメンテーションの対応関係について理解を深めることができた。 ② 国内の博物館・研究機関における調査:修復記録アーカイヴを構築・運用する博物館・研究機関にて、ヒアリング調査と現物資料の閲覧を行った。過去の文化財修理報告書のアーカイヴ化を進めている東京文化財研究所における調査では、文化財修理報告書の類型や保管主体、刊行状況についての知見とともに、修理記録・修理報告書データベースのメタデータ設計についての教示を得た。また、奈良国立博物館仏教美術資料研究センターでは、日本美術院の修理記録(1899-1944)の現物資料を閲覧し、彫刻の修理記録の特徴、修理記録のアーカイヴ構築およびデータベースの運用・管理についてヒアリングを通じて調査した。 ③ 修復ドキュメンテーションの構造分析:慶應義塾大学に蓄積された、1990年代から2020年代までの修復報告書を調査・分析し、修復報告書に記載される修復作業の内容とその情報構造について分析を行った。加えて、①②のヒアリング調査を踏まえて、修復ドキュメンテーションの作成に関わる作業とステイクホールダーの組み合わせを元に、修復ドキュメンテーションの類型について検討した。 ④ 中間成果の報告と情報共有:昨年度および今年度実施した研究に基づき、国内学会1件、国際学会1件の報告を行ったほか、研究集会「修理(修復)記録アーカイヴ研究会」を開催し、修復ドキュメンテーションに関わる研究者・実務者による発表とディスカッションを行った。
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| 現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
2024年度は、① 国内の文化機関・修復実務機関における現状調査 ② 研究データのオープン化を巡る研究と実践の調査 ③ 海外における 事例調査 を軸に研究を進める計画だった。① の現状調査については、研究者・実務者の協力を得て、現状調査に留まらない課題の共有と発展的な議論を行うことができた。一方で、当初予定していた助成財団へのヒアリング調査は、予備調査の段階に留まった。② については計画通り、国内外の文献探索を通じて来年度のヒアリング調査の準備を行った。③ については、イギリスでの現地調査を実施する計画であった。しかし、2025年5月末にミュージアムの展示・収蔵・修復活動を複合的に見せる新たな施設のオープンが予定されていることから、施設開館後の渡航へと計画を変更した。
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| 今後の研究の推進方策 |
2025年度は、① 国内の文化機関・修復実務機関における現状調査 ② 研究データのオープン化を巡る研究と実践の調査 ③ 海外における事例調査 ④ メタデータ項目の設計とデジタルアーカイヴ・モデルの検討 を軸に研究を進める。 ① の現状調査に関しては、助成事業実施団体に対するヒアリングに注力する。② の研究データに関しては、本年度の予備調査に基づき、人文社会科学分野の研究データの利活用について検討している機関や研究者へのヒアリングを行う。③ では、イギリスにて研究者へのヒアリングを行うとともに、関係機関を訪問調査する。④ では、先行する東京文化財研究所の修理記録・修理報告書データベースを参照しながら、メタデータ項目を設計し、修復ドキュメンテーションのデジタルアーカイヴのモデルについて検討する。また、これらの研究成果を関連学会にて報告する。
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