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草仮名中字古筆および草書を用いた大学における大字仮名作品制作指導の研究

研究課題

研究課題/領域番号 23K00231
研究種目

基盤研究(C)

配分区分基金
応募区分一般
審査区分 小区分01070:芸術実践論関連
研究機関岩手大学

研究代表者

久保田 陽子  岩手大学, 人文社会科学部, 准教授 (80838269)

研究期間 (年度) 2023-04-01 – 2028-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2027年度: 130千円 (直接経費: 100千円、間接経費: 30千円)
2026年度: 130千円 (直接経費: 100千円、間接経費: 30千円)
2025年度: 130千円 (直接経費: 100千円、間接経費: 30千円)
2024年度: 130千円 (直接経費: 100千円、間接経費: 30千円)
2023年度: 130千円 (直接経費: 100千円、間接経費: 30千円)
キーワード指導法 / 作品制作 / 大字仮名 / 中字仮名 / 草仮名 / 草書 / 字典 / 作品制作理論 / 作品制作指導法
研究開始時の研究の概要

書壇の会派書道の制作理論を用いずに、学生自身が古典・古筆を基調として大字仮名の作品制作を行えるよう指導する方法を研究するものである。草仮名中字古筆や草書を用いた大字仮名の作品制作を検証し、制作に必要な基礎的要素を体系化し、小字仮名と同様の基本的で普遍性のある大字仮名作品制作理論を確立させる。また、それを踏まえて、学生の大字仮名作品の完成度を高めさせ、卒業後も長期にわたり自力で創作を続け生涯学習を充実させることを目指す。会派の所属によらず、書壇・在野といったフィールドを問わず、誰もが独自性を活かした大字仮名の作品制作を長く続ける為の基礎を、大学教育において身に付けさせる指導法の確立を目的とする。

研究実績の概要

本研究は、「草仮名中字古筆および草書を用いた大学における大字仮名作品制作指導の研究」と題し、草仮名中字古筆および草書を用いることで、出来る限り会派書道の制作理論を用いずに古筆を基調とした大字仮名作品制作を行う手法を確立させ、大学での制作指導に活かすことを目指すものである。経験も師系も異なる多様な学生が学ぶ大学において、大字仮名の有効な制作指導法を確立させる研究であるが、卒業後の生涯学習にも資するものとなることを念頭に置いている。
1年目となる2023年度は、その第一段階として指導の準備を行った。具体的には、(1)臨書を中心とした古筆研究(書美の分析)、(2)学生が実験・制作において使用する字典の作成、(3)基調古筆として選定した3点の古筆を用いた研究者自身による大字仮名作品制作・中字仮名作品制作、(4)大字仮名作品制作の指導にあたってポイントとなる基本的要素の洗い出し、である。
まず、(2)については、草書の古筆を1点(「金剛般若経開題」)と草仮名中字古筆を2点(「十五番歌合」「綾地切」)選定していたが、そのうち「十五番歌合」と「綾地切」の字典を作成した。(3)については、「岩手一先会かな書展」で大字仮名作品を、「一先会書展」で中字仮名作品を、それぞれ制作・展示した。また、その制作過程で(1)の臨書を行った。(4)については、仮名の書美要素と仮名作品制作時のポイントとなる要素を検討した(2024年度も継続予定)。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

今年度予定していた項目のうち、(2)の「学生が実験・制作において使用する字典の作成」が遅れている。今年度は「十五番歌合」「綾地切」の2点の字典の他、草書の「金剛般若経開題」の字典も作成する予定であった。しかし、「金剛般若経開題」については完成に至らなかった。
理由については2点が挙げられる。1点目は、見通しの甘さである。字典作成には想像以上の時間と労力を要した。2点目は、計画時に「金剛般若経開題」の書風のみを判断材料として古筆を選定してしまっていたことである(和様の草書から選定したかったこともあるが)。「十五番歌合」「綾地切」はその題材が和歌である為、一般的な仮名古筆の字典と同様、50音順の配列方法を採用した。それぞれの文字の読み方は既に決まっている為、作業が速やかであった。しかし、「金剛般若経開題」は内容が仏典の解説であり、文字をどの音に当てはめるのか?という問題も発生しており、編集する際の文字の配列を検討する必要がある。
加えて、「金剛般若経開題」には大字・中字仮名作品制作に使用可能と明確には判断できない難解な文字や画数の多い文字が多用されており、それらの取り扱いにも思案している状況である。実際の作品制作においてあまり使用されるとは考えられない文字を字典に収録するのか否か?収録するとしたら、実験・制作を円滑にする配列はどのようなものか?等について検討中である。現在は、使いやすい字典を目指し、最善の策を試行錯誤しながら探っている段階である。
また、(4)の「大字仮名作品制作の基本的要素の洗い出し」については、大字仮名作品制作における基本的要素(制作のポイント)を確定させる予定であったが、整理できていない。理由は、作品自体のゴールイメージの不明瞭さに由来すると推察している。まずは、学生に制作させる作品レベルを明確にしたい。

今後の研究の推進方策

応募当初の予定では、2024年度は(1)指導の準備として工程表作成、(2)3古筆を基調とした作品制作と展覧会での作品発表、(3)「金剛般若経開題」を基調とした中字仮名作品制作指導の試行を行うことになっていた。
(1)の「指導の準備として工程表作成」については、字典作成の進捗が遅れている為、その分の調整を反映させる必要がある。(2)の「3古筆を基調とした作品制作と展覧会での作品発表」については、1年目と同様に「岩手一先会かな書展」と「一先会書展」において制作・展示を行うことを予定している。(3)の「「金剛般若経開題」を基調とした中字仮名作品制作指導の試行」については、1年目に字典作成を完了できなかった為、なるべく早い時期に完成を目指して作業を再開したいと考えている。配列のヒントを、例えば漢字の字典に求め、部首順にすることも検討したい。
ただし、「金剛般若経開題」には大字・中字仮名作品制作に使用可能と明確には判断できない難解な文字や画数が多い文字が多用されており、それらの取り扱いにも思案している状態である。その為、他の草書古典に、より基調古典として適切なものがないかどうか、確認したいと考えている。その際には、和様ではない草書古典を用いるかどうかについても検討したい。予定通り「金剛般若経開題」を基調とした中字仮名作品制作指導を行う場合は、実際の作品制作指導を後ろ倒しする可能性も視野に入れ、調整を行いたい。
(4)大字仮名作品制作の基本的要素の洗い出しについても継続して調査し整理を行いたい。

報告書

(1件)
  • 2023 実施状況報告書

URL: 

公開日: 2023-04-13   更新日: 2024-12-25  

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